歌誌月光88号
特集 パレスチナを歌う
重信房子は、こう歌った。「ガザ、北からラファ国境までイスラエルは破壊しつくした。/イスラエルはガザを併合し、パレスチナ人を殺し尽くそうとしている。……」村上清は、こう発言した。「極限下では余白やイマジネーションなど必要とせずとも歌が生まれてしまう哀しさを思う」ガザの虐殺という現実の前に歌は可能か?
そのほか、第十二回黒田和美賞発表や新連載「その一首をめぐる冒険」など。
編者 | 福島泰樹(主宰)他 |
---|---|
発売日 | 2024年12月31日 |
ページ数 | 102 ページ |
定価 | 1000円(+税) |
判型 | A5判並製 |
装幀・造本 | 藤巻亮一 |
カバー写真・ イラスト |
佐中由紀枝 |
ISBN | 978-4-7744-0856-9 |
目次
巻頭作品
「大正十二年九月一日」以後 六 耶蘇坊主の歌 福島泰樹 4
声と線 大和志保 6
家書家伝 竹下洋一 8
特集 パレスチナを歌う 10
ひとつしかない無数のいのち 二〇二三年十月七日〜二〇二四年十月七日 重信房子 10
ライラよ還れ 福島泰樹 14
国家を超えろ! 岡部隆志 20
ナッツの瞳の涙─ガザ・パレスチナ 高坂明良 24
背骨の疼き 凛七星 27
虐殺ユニヴァース 五十嵐博信 30
パレスチナ 発端と終焉もしくは共存収束 中田 實 32
パレスチナ 白井大治 33
母の祈り 杉山志保 34
永遠の踊り場 潮 なぎさ 36
新連載
その一首をめぐる冒険 それを名付けること──綿田友恵歌集『赤鉛筆、父、母……。』評 木下竣介 38
綿田友恵歌集 「赤鉛筆、父、母……。」一首鑑賞 皆月ヒバリ 41
短歌一
白紙の大地 川崎秀三 42
疼く指先 窪田政男 43
逆説 山本 茂 44
『Early80s の、或いは蒼の時代』〈四〉 凛七星 45
Kの肖像52 宮野克行 46
四つ角の坂 2024.11.10 矢澤重徳 47
四谷シモン賛江 皆月ヒバリ 48
人形色に染められ 藤岡 巧 49
水と夏 鹿野 氷 50
鮮度の歌 足立尚計 51
アンモナイトの薄明かり 武藤雅治 52
山の池 高橋凜凜子 53
信を問ふこと 櫻井真理子 54
草の世 人の世 髙嶋和惠 55
連載
わが稗史抄 第十一回 山本 茂 56
蚯蚓の戯言 12 ——村木道彦・土岐善麿・篠弘—— 大林明彥 58
テロルと虐殺と「私」 関東大震災朝鮮人虐殺に関連して—其の九— 武藤雅治 60
短歌二
靴擦れ 吉田裕幸 62
天与取らざれば 楠本夏菜 63
闇夜の烏たち 来栖微笑 64
悪い魔女はもういない 小田那津子 65
その本の重たさは 綿田友恵 66
本の象 晴山生菜 67
母がふるさと 久慈博子 68
風が吹く 舛山誠一 69
上信国境ダムtoダムハイランドラン二三㎞ 鏡 澄夫 70
季語は死語 福間三九郎 71
Londonのパレスチナの友に捧ぐ akiko 72
「演説」渋沢栄一へ 鎌田圭一 73
一丁目一番地の公約 尾松 亮 74
虎落笛 麒麟と女房(三) 渡邊浩史 75
君は眠れるか 大林明彥 76
第十二回黒田和美賞発表 77
連載
天神亭日乗 24 来栖微笑 78
きょうの百葉箱 本当に復活の呪文があるなら唱えたい 潮 なぎさ 80
月光シネマテーク57 あした花咲く庭で(22) 渡邊浩史 82
神保町のんしゃら日記22 晴山生菜 84
月光通信 86
月光歌筵Ⅰ 前号作品評 窪田政男 96/ Ⅱ 綿田友恵 98/ Ⅲ 小田那津子 100
編集後記 102