シリーズ紙礫3人魚
海の半人半獣「人魚」をめぐる海色の物語
人類が海の小動物だった頃からの、無意識の水の記憶。
そこからくる根源的な畏れと憧れが「海の半人半獣」を生み出した……
(長井那智子「解説」より)
恋愛小説、童話、古典題材、探偵小説、海外の作品…
人間の男を惑わす妖艶な人魚はもちろん、
人間世界を夢見る人魚姫や、呑んだくれの「男人魚」も登場!
古今東西の個性ある「人魚物語」のアンソロジー!
著者 | 長井那智子(編) |
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発売日 | 2016年3月2日 |
ページ数 | 286 ページ |
定価 | 1,700円(+税) |
判型 | 四六版並製 |
装幀・造本 | 藤巻亮一 |
カバー写真・ イラスト |
水島爾保布 |
ISBN | 9784774406091 |
目次
「北の海」中原中也
「赤いろうそくと人魚」小川未明
「漁師とかれの魂」オスカー・ワイルド/長井那智子 訳
「人魚物語」アンデルセン/高須梅溪 意訳
「人魚の嘆き」谷崎潤一郎
「怪船「人魚号」」高橋鐵
「カッパのクー」
「アイルランド民話」片山廣子 訳
「人魚の海 新釈諸国噺」太宰治
「人魚伝」安部公房
解説――長井那智子
長井 那智子(ながい・なちこ)
東京都生まれ。青山学院大学卒。スペインに6年、オーストラリアに4年、イギリスに6年在住。
ロンドン在住時「英国ニュースダイジェスト」に文学エッセイを連載。著書に『チップス先生の贈り物 英文学ゆかりの地を訪ねて』(2007年、春風社)、訳書に『わしといたずらキルディーン』(マリー女王著、2008年、春風社)、『わし姫物語』(マリー王妃著、2012年、集英社)、『吸血鬼ドラキュラ・女吸血鬼カーミラ』(レ・ファニュ著、2015年、亜紀書房)がある。
フルート、手彫りガラス、絵画等にも造詣が深い。1982年より6年間、王立マドリード音楽院(コンセルバトリオ)で巨匠ラファエル・ロペス・デル・シドに師事。また、イギリスより帰国後、新宿JTBカルチャーセンターで手彫りガラス教室の講師を務める。2008年より、文芸誌『火山地帯』の表紙絵を描く。
祖父は精神分析の草分けでフロイトを日本に紹介した心理学者・大槻憲二。