皓星社(こうせいしゃ)図書出版とデータベース

歌誌月光 60号

〔特集〕矢澤重徳歌集『会津、わが一兵卒たりし日よ』

歌人・福島泰樹主宰の「月光の会」が発行する短歌雑誌。
60号の特集は矢澤重徳歌集『会津、わが一兵卒たりし日よ』。

ぼくは砂を胸に流して立っている砂時計に似てただ佇っている

2011年のあの日以降、福島は原発事故の悲劇を背負わなければならなくなった。
しかしその悲しみの始まりは、震災以降の数年間のものではない。1868年、会津戊辰戦争にまで遡るのである。
曾祖父が戦った150年前の戊辰戦争、自らが闘った50年前の神田カルチェラタン闘争、そして福島の現在……
時代と人間の悲しみを、三十一文字三〇七首に還元させる、この歌集を読む。

著者 福島泰樹(主宰) 竹下洋一(編)
発売日 2019年8月30日
ページ数 86 ページ
定価 1,000円(+税)
判型 A5判並製
装幀・造本 栗原奈穂
カバー写真・
イラスト
佐中由紀枝
ISBN 9784774407166

目次

〔短歌一〕
月光庵日録 弐 福島泰樹
象られるⅥ 彗星遺文 大和志保
家書家伝 竹下洋一

 

〔特集 矢澤重徳歌集『会津、わが一兵卒たりし日よ』〕
作品三十首 ダミアを聞きに 矢澤重徳
「私」を白状しよう 矢澤重徳
悲しみ抜くこと──矢澤重徳歌集『会津、わが一兵卒たりし日よ』を読む── 岡部隆志
「月光」男歌の系譜 矢澤重徳篇~『会津、わが一兵卒たりし日よ』歌集評~ 佐久間章孔
『会津、わが一兵卒たりし日よ』を読む 冨尾捷二
僕と僕たち──矢澤重徳『会津、わが一兵卒たりし日よ』に誘発されて 椎野礼仁
『会津、わが一兵卒たりし日よ』を読んで、拠点・虚点ということ── 中田實
無名の人々への眼差──最初の読者として 晴山生菜
兵の手には、水。──會津の俺の熊氏に献ず 髙坂明良
時間/重力とその恩寵 矢澤重徳の短歌を読む 大和志保
『会津、わが一兵卒たりし日よ』一首鑑賞 川俣水雪/川崎修三/窪田政男/吉田和子/岡本康/鎌田圭一/高橋凜凜子/潮なぎさ/渡邊浩史/竹下洋一

 

〔短歌二〕
六月の庭 高嶋和惠
空は破けた 潮なぎさ

 

〔連載〕
野晒の歌 坪野哲久 参 福島泰樹

 

〔短歌三〕
覚醒前夜 髙坂明良
濡れた朝刊 クリスチャン・ポルタンスキー展へ行く 窪田政男
今でなくいつか 鹿野氷
風力 小河内仁美
あれから 武藤雅治
小劇場物語・・・近代の超克のための練習曲・・・ 佐久間章孔

 

〔連載〕
月光シネマテーク30 百年まちのあのひと そのじゅうよん 渡邊浩史
言霊探偵の事件簿XIV「大事件の大解決」について 佐久間章孔
コトバ数だけ数えうたの9 山崎春美

 

〔短歌四〕
一月の卵、二月の鬼 冨尾捷二
しぐれ始める 藤岡巧
ふたたびの古都 中田實
風力 高橋凜凜子
東京地裁初公判(Secret lawにまつわる) 菅原あきこ
二万年後…。 尾松亮
たわいない話 大西いづみ
本の象Ⅵ 夢日記 晴山生菜
虎落笛 夜へ 渡邊浩史
雲の峰国のかたちも崩れけり 川俣水雪

 

月光通信
月光歌筵Ⅰ 前号作品評 窪田政男
月光歌筵Ⅱ 前号作品評 綿田友恵
編集後記