歌誌月光72号
特集 福島泰樹ーー『天河庭園の夜』
歌人・福島泰樹主宰の「月光の会」が発行する短歌雑誌。今号の特集は、前衛歌人・岡井隆らへ捧げる福島泰樹第33歌集、『天河庭園の夜』(2021年7月、皓星社)。著者自選27首ほか、大和志保によるロングインタビューを掲載。そのほか、5月に刊行予定の重信房子短歌連載も収録。
○自選27首より
だがしかし時は移ろい小林をなしていた旗、濃き霧の中
思想とは教えてくれよ岡井さん、鞣した皮の輝きですか
凄まじく堕ちゆく夕陽日輪の 世界は花の血滴なるか
歳月は蜜であったろ厳かな罰であったよ 雲ながれゆく
さながらに此処が天河庭園でありたるよ特急「あずさ」は発たず
著者 | 福島泰樹(主宰)他 |
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編者 | 竹下洋一 |
発売日 | 2022年4月30日 |
ページ数 | 98 ページ |
定価 | 1,000円(+税) |
判型 | A5判並製 |
装幀・造本 | 栗原奈穂 |
カバー写真・ イラスト |
佐中由紀枝 |
ISBN | 978-4-7744-0767-8 |
目次
《短歌一》
月光庵目録 八 福島泰樹
象られる XVI 土地の名、春の幽霊 大和志保
家書家伝 竹下洋一
《特集 福島泰樹第三十三歌集『天河庭園の夜』》
月光インタビュー06 明日への追憶—福島泰樹 [第1回]聞き手:大和志保
『天河庭園の夜』自選二十七首 福島泰樹
『天河庭園の夜』を読む。 江田浩司
「歌の翼」に想う—福島泰樹歌集『天河庭園の夜』— 岡部隆志
記憶の河を渡る〈短歌絶叫オーヴァチュアとして〉 大和志保
一首鑑賞 矢澤重徳/晴山生菜/高嶋和惠/山崎春美/小河内仁美/窪田政男/楠本夏菜/中田 實/吉田和子/千田桃子/竹下洋一
《連載》
暁の星 十一 九月の歌 重信房子
《短歌二》
忘却の作法 松野志保
十指荒む 高嶋和惠
メランコリック 五十嵐博信
火の名 髙坂明良
あなたには必ずわかる 鹿野 氷
遠き春 櫻井真理子
ぽんこつ 高橋凜凜子
幾星霜松林図 小河内仁美
Kの肖像36 宮野克行
本の象 晴山生菜
「富美」の雨傘5 Agnes Fuu’s umbrella 矢澤重徳
公園(抜粋) 窪田政男
《連載》
百四十字、老いらくの歌 六 福島泰樹
『錯乱、雨の日曜日…… ある歌人の死』を読む 高橋凜凜子
《短歌三》
棒になる 潮 なぎさ
露語の学徒へ 来栖微笑
夜の躑躅 千田桃子
幸せの青い卵 小田那津子
はじまりは淡く 近藤恭子
春の歌 臼井敦子
NO MORE WAR!!! 高西澄依
水たまり 椎野礼仁
季語・季語・写生とウッセーワ 福間三九郎
モディオラスリリースへ 鎌田圭一
大和へ、そして、大和から 中田 實
砂底 楠本夏菜
春氷る 吉田和子
《連載》
神保町のんしゃら日記 6 晴山生菜
月光シネマテーク 42 あした花咲く庭で(7) 渡邊浩史
きょうの百葉箱 過渡期における色とりどりのランドセル 潮 なぎさ
天神亭日乗 8 来栖微笑
月光通信
月光歌筵 窪田政男/綿田友恵/木下竣介
編集後記