「恋と革命」の死 岸上大作(夭折の系譜 1)
没後60年、学生歌人・岸上大作の人生と作品を読む決定版評論集
夭折した作家たちの作品と人生を読む、新シリーズ第1弾。学生歌人・岸上大作没後60年に際し、岸上大作を叫び続けてきた著者の書下ろし集大成。併せて『意志表示』(抄)、絶筆「ぼくのためのノー ト」を収録。
岸上大作よ、君を書くことは、「戦後」という時代を、社会や歴史を視座に、常に民衆の側から苦悩し、学習を怠ることなく成長した、日本の最も誠実な青年の精神史を書くことに他ならない。そう思って、歩いてきた。―― 福島泰樹「序」より
著者 | 福島泰樹 |
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発売日 | 2020年12月10日 |
ページ数 | 304 ページ |
定価 | 1800円(+税) |
判型 | 四六判変型並製 |
装幀・造本 | 藤巻亮一 |
ISBN | 9784774407203 |
目次
評論 「恋と革命」の死
岸上大作歌集『意思表示』(抄)
絶筆「ぼくのためのノート」
年譜
跋
福島泰樹(ふくしま・やすき)
1943年3月、東京下谷生。早大卒、69年、歌集『バリケード・一九六六年二月』でデビュー。「短歌絶叫コンサート」を創出、朗読ブームの火付け役を果たす。85年4月、「死者との共闘」を求めて東京吉祥寺「曼荼羅」で「月例」コンサートを開始。
同年6月、短歌絶叫コンサート「六月の雨/樺美智子、岸上大作!よ」を開催。ブルガリアを皮切りに世界の各地で公演。国内外1600ステージをこなす。単行歌集に『下谷風煙録』(皓星社)他32冊、全歌集に『福島泰樹全歌集』(河出書房新社)。評論集に『弔いーー死に臨むこころ』(筑摩書房)『寺山修司/死と生の履歴書』(彩流社)、『誰も語らなかった中原中也』(PHP新書)、『追憶の風景』(晶文社)。他にDVD『福島泰樹短歌絶叫コンサート総集編/遙かなる友へ』(クエスト)など著作多数。毎月10日、吉祥寺「曼荼羅」での月例「短歌絶叫コンサート」も35年を迎えた。
岸上大作(きしがみ・たいさく)
1939年、兵庫県神崎郡福崎町生まれ。5歳の時に父が戦病死。祖父、母、大作、妹の4人家族の家計を母がひとりで支えた。1958年福崎高校を卒業、國學院大學へ進学。短歌研究会に入会し、高校時代に始めた短歌創作に打ち込んでゆく。1960年、連作「意志表示」が「短歌研究」新人賞候補作となり学生歌人として歩み始めるが、同年12月5日、絶筆「ぼくのためのノート」を遺し自ら命を絶つ。翌年、友人たちの手により遺作集『意志表示』が刊行された。