拾遺 単行本未収録文集(鎌田慧セレクション12)
ルポライター60年。鎌田慧セレクション最終巻
本書は主として単行本未収録の作品を収録する。
ふるさとを綴った文章をまとめた「津軽」、単行本未収録作品や今では入手困難な書籍に収載されたルポルタージュ類を集めた「拾遺」、ルポルタージュ論から選んだ「報告と報道」、忘れがたき人々への思いを込めた人物評「月旦」の4部構成。
鎌田慧のルポルタージュには、抽象的な「市民」も「民衆」も登場しない。みな、名前や年齢を明記された具体的な個人として生活に根差した「コトバ」を語る。それは、無名の人たちの声を記録しようとする、初心からの一貫した作法である。
| 著者 | 鎌田慧 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年9月17日 |
| ページ数 | 496 ページ |
| 定価 | 4,800円(+税) |
| 判型 | A5判並製 |
| 装幀・造本 | 藤巻亮一 |
| カバー写真・ イラスト |
風間サチコ |
| ISBN | 978-4-7744-0852-1 |
目次
Ⅰ 津軽
やさしいアイスクリーム
屋根のうえ
アッパレお国ことば
四中とわたし
丘からの広がり
故郷
「津軽人」
わが内なる「津軽」
わが幻の五能線
Ⅱ 拾遺
視点
アナキズムと現代
ハンセン病とわたし
民衆の表現
労働と記録
報告
「魂を入れてやれ」
下町の上京少年たち
川崎・欝屈の女工たち
我が街わが友
忘れ得ぬ無名の男たち
首切りと統制処分──都電合理化問題をめぐって
大合理化時代
「労働下宿」の記録
ファシズム みんなで進めばこわくない 大衆文化に見る右傾化
海峡の罐焚き
三〇年後の絶望工場
原発拒絶の思想と運動を、今こそ
原発進出を拒否した町──石川県珠洲市
未完の永山則夫「連続射殺事件」発生50年 変わらぬ「労働者」の絶望
小伝──「解説」再掲
荒畑寒村 熱血の書 『谷中村滅亡史』
大杉栄 精神の爆発 『叛逆の精神:大杉栄評論集』
葛西善蔵 家郷喪失者の文学 『贋物・父の葬式』
松下竜一 ルイさんと松下さん 『ルイズ──父に貰いし名は』
上野英信 地獄の記録人 『続ルポライター入門』
Ⅲ 報告と報道
体験的ルポライター論
これからのルポルタージュ
怒りや訴えたい強烈な想いを持て
ジャーナリストの責務──言わねばならぬことを言う
取材とは何か
時代をこじあける──二一世紀のルポルタージュへ
人々に共感されるジャーナリズムを
取材は見知らぬ世界の発見である
Ⅳ 月旦──忘れえぬ人々
陸羯南と正岡子規 羯南と子規
幸徳秋水 幸徳秋水の死刑論
魯迅と大杉栄 沈痛と閉塞の思いで手にした本は
大杉栄 すべての自由を求めて
葛西善蔵 葛西善蔵の唄
小熊秀雄 現代に生きる小熊秀雄
太宰治と大杉榮 太宰治と大杉榮
太宰治 私の太宰 その魅力
埴谷雄高と花田清輝 埴谷雄高と花田清輝
戸村一作 人間 戸村一作
中野重治と堀田善衞 同志的対話
荒畑寒村 小説を書かなくなった荒畑寒村
宮本常一 大世間師・宮本常一を読む
上野英信 暗闇の赤い花
伊藤ルイ ルイさんのうしろ姿
永山則夫 永山則夫の短い旅路
灰谷健次郎 放浪の果てに知った人のやさしさ
小田実 柔軟な剛直さ
むのたけじ 「気骨」のジャーナリスト むのたけじの101年
林えいだい 孤高の作家 記録の鬼 林えいだいさんを悼む
石牟礼道子 湯堂のちいさな入り江で
丸木俊 地獄絵の表現者となった夫婦
瀬戸内寂聴 逃げない作家 瀬戸内寂聴さん
大江健三郎 逝去から1ヵ月が経って
小泉信一 地を這う人情記者 小泉信一さん
石川一雄 見えない手錠外せず逝く
石川文洋 わが友 石川文洋
保阪正康 沈痛なる記録者 保阪正康さん
樋口健二 わが同志・樋口健二さん
金時鐘 「大勢になだれていかず」
附録 鎌田慧おぼえ書き 針生一郎
あとがき ピースボートの船上から
鎌田 慧 (かまた・さとし)
1938年青森県生まれ。新聞、雑誌記者を経て、ルポルタージュ作家に。冤罪、原発、開発、労働、沖縄、教育など、社会問題全般を取材し執筆。それらの運動に深く関わっている。
主な著書に『新装増補版 自動車絶望工場』(講談社文庫)、『狭山事件の真実』(岩波現代文庫)、『反骨 鈴木東民の生涯』(新田次郎賞、講談社文庫)、『屠場』(岩波新書)、『六ヶ所村の記録』(毎日出版文化賞、岩波現代文庫)、『残夢 大逆事件を生き抜いた坂本清馬の生涯』(講談社文庫)など多数。









