教育工場(鎌田慧セレクション8)
政治が右傾化した原因は教育施策にある。 規制と支配の果てに、教育はどのように日本の社会を変えたのか?
1969 年、日本の教育は民主化教育から大転換した。
個人が考え行動する自由を奪う徹底した管理教育の実態と、その歪みから生じた「いじめ」を追う、『教育工場の子どもたち』『いじめ自殺 12人の親の証言』の2冊を収録。
| 著者 | 鎌田慧 |
|---|---|
| 発売日 | 2025年11月20日 |
| ページ数 | 320 ページ |
| 定価 | 2,700円(+税) |
| 判型 | A5判並製 |
| 装幀・造本 | 藤巻亮一 |
| カバー写真・ イラスト |
風間サチコ |
| ISBN | 9784774408484 |
目次
第一部 教育工場の子どもたち 9
はじめに
「教育工場」の子どもたち 15玄関横の「忠魂碑」/『写真日記』/これはなんだろう/型から入る教育/非行化防止のために/道徳教育推進校で/校長と教委と労組と/「ふさわしくない」/管理と監視/深夜二時の学校/プラスばかりの通知表は/問題児のレッテル/自己の確立、人間の尊厳
死に至る管理教育 38
愛知県「恐怖の三T」/「マル東はいやだね」/罵声が産声/「期待の囚人」/生活指導、学習指導、進学指導……/戦後教育批判とコンピュータと警察と/日本教育会/反乱と処分
日の丸とコンピュータ 54捉えにくい管理の進行/息をひそめたように/学校と警察と/一挙手一投足を/「あてはまるものに丸を……」/能力別のクラスに分けて/「日本人!!」/部活─もうひとつの管理/排便は朝に/高校入試を考え直す
管理と非行 71熱意あふれる文書作戦/平穏無事の卒業式のかげで/説得より鉄拳/何のための体罰/個人情報をバンクする/教師がめちゃくちゃ忙しい理由/中学生たちの反乱/切り捨てられた者の自己主張は
純粋培養の教師たち 86わが国最初の……/水泳と鉄棒とピアノ/「休み時間は教室にいます」/教育実習にいくときは/生徒急増を支える/教育委員会の求めるもの
校長の闘争 98文部省直轄地/トイレ掃除は音楽とともに/財界と警察の介入/「新しい国民」づくり/「栃教協」のつくられ方/自民党の日教組対策/さまざまな脱退勧奨/「校長は天国 教師は地獄」/女性教師たちの無念
夜間高校に光あれ! 126夜間高校は変った/教室は感動をうしなった「島」/なぜ変ったのか
底辺の少数者としてあとがき 133
資料 解説 二五年後の「教育工場の子どもたち」へ 田口ランディ 135
第二部 いじめ自殺 12人の親の証言 141
まえがきに代えて 143
Ⅰ 遺された親たちは語る 148
1 いじめる側は五分の一でも、いじめられる側には五倍です 鹿川雅弘 1482 「負けるわけねえ」といわれ借金して裁判やったんです 佐藤 清 1563 自殺する弱い子を育てた親が悪いといわれて 岩脇克己 岩脇寿恵 1594 遺書がないといじめとは認められない現実 前田功 前田千恵子 1705 昔と変わってきた子ども、変わってきた先生 大河内祥晴 1856 こんな誠意のない学校には裁判しかありません 舩島 明 1947 集団リンチだ。「たったいじめごとき」ではない! 的場孝美 2048 「死ぬのは本人が弱いからだ」と子どもの前で語った教師 秋葉治男 2159 どんどんひどくなっていく口でのいじめ 鈴木久美子 23210 「申し訳ありません」の一言もない担任と校長 大沢秀明 24511 「うちの子はいじめる側だから安心」という親へ 伊藤正浩 25712 学校は命をかけてまで行くところじゃないよ 池水安子 270
Ⅱ いじめ自殺のあとで…… 282いじめ自殺のあとで…… 282無関心な殺人 284いじめと教師と親と── 286いじめと迎合 288いじめ自殺はなくなっていない 291
先生、人間になってください! 293
あとがき 不自由を作りだした教育政策 鎌田慧 301
《月報》
鎌田慧さんの追っかけとして 永田浩三(武蔵大学名誉教授・ジャーナリスト)
鎌田さんの忠告 井上志津(ライター)
先輩の照らす道 世良啓(文筆家)
さようなら原発と鎌田さん 井上年弘(原水爆禁止日本国民会議 専門委員)







