歌誌月光71号
異常が常態化する日常を異化せよ
歌人・福島泰樹主宰の「月光の会」が発行する短歌雑誌。今号の特集は、疫病と共に生きる上で今や必須アイテムとなった「マスク」。顔の半分を覆い隠された生活が日常となって久しい中、私たちに問われるのは新たな生活様式への適応力だけなのか。特集では、短歌とエッセイという切り口からその異常性に斬り込む。そのほか、第九回黒田和美賞発表。
著者 | 福島泰樹(主宰)他 |
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編者 | 竹下洋一 |
発売日 | 2022年3月10日 |
ページ数 | 136 ページ |
定価 | 1,000円(+税) |
判型 | A5判並製 |
装幀・造本 | 栗原奈穂 |
カバー写真・ イラスト |
佐中由紀枝 |
ISBN | 978-4-7744-0759-3 |
目次
《短歌一》
平熱 武藤雅治
虚の月 高嶋和惠
象られる XV ”La Maschera più bella” 大和志保
家書家伝 竹下洋一
《特集 マスク》
マスク 福島泰樹
マスク詠を通して考えたこと 岡部隆志
川底の石 千田桃子
利己と利他の間で 窪田政男
鼻マスク狂詩曲 小田那津子
二〇二〇年六月某日 竹下洋一
マスクについて思うことなど 渡邊浩史
仮面あるいはマスク、覆われ失われうる面貌についての断片 大和志保
ゾンビの記憶 楠本夏菜
父から最後にもらったものは 綿田友恵
きょうの百葉箱 マスクは何を覆い隠す 潮なぎさ
沈黙と抵抗 マスクの中で 晴山生菜
《特集短歌》
奇妙な春 来栖微笑
マスクについて 林郷子
突き出した舌 千田桃子
いきぐるしいね 小田那津子
終の前に(カデンツァ) 近藤恭子
ラスティ・ネイル 潮なぎさ
マスク哀果 吉田和子
京都追慕 高橋凜凜子
雨だれ 楠本夏菜
装身いちぶ 鹿野氷
本の象 晴山生菜
見飽きた風景 藤岡巧
スノウドーム 窪田政男
「富美」の雨傘4 覆面(マスク) 矢澤重徳
MASKING 川崎秀三
マスク 中田實
白布の内(うち)に 五十嵐博信
Kの肖像35 (マスクをはずして) 宮野克行
現代(いまどき)ニッポン装苑(ファッション)事情 福間三九郎
対話篇 尾松亮
マスクの不思議 椎野礼仁
死病の風の吹くなかで 髙坂明良
《連載》
百四十字、老いらくの歌 五 福島泰樹
暁の星 十 八月の歌 重信房子
《短歌三》
神無月 高嶋和惠
狭き門 櫻井真理子
欠けた月 黒羽濫
玄冬 臼井敦子
Nothing at all in the American 高西澄江
「これからも(ラブレター)頑張って!」へ 鎌田圭一
精神の旅 小河内仁美
冷たい風の 藤岡巧
《新連載》
無頼論 第一章① 敗れゆく者たちの声を聞いたか 加藤英彦
《第九回黒田和美賞》
ハッシャバイ 松野志保
受賞のことば 冬眠からの帰還 松野志保
訣別の賦 福島泰樹
第九回黒田和美賞選評 岡部隆志
第九回黒田和美賞選評 大和志保
第九回黒田和美賞作品について 高橋凜凜子
一年を振り返りつつ 竹下洋一
《連載》
神保町のんしゃら日記 5 晴山生菜
月光シネマテーク 41 あした花咲く庭で(6) 渡邊浩史
天神亭日乗 7 来栖微笑
コトバ数だけ数えうたの十四 山崎春美
月光通信
月光歌筵 窪田政男/綿田友恵/木下竣介
編集後記