シリーズ紙礫1闇市
敗戦後の混乱中、非合法の「闇市」で人々はどのように生き抜いたのか? 「闇市」をめぐる、はじめてのアンソロジー! !
〈この本が紹介されました〉
・読売新聞 2015年9月27日
・朝日新聞 2015年10月5日
・東京新聞 2015年10月18日
・毎日新聞 2015年11月8日
・東京人 2015年11月
・図書新聞 2015年12月19日
マイク・モラスキー「はじめに」より
本書は皓星社から新たに刊行される『シリーズ 紙礫』の第1巻である。 戦争末期および終戦直後の闇市をめぐる短編小説集としては、初めての試みとなる。 収録されている11篇のうち8篇が1946年から49年の間に発表されているので、 本書は主として終戦直後に書かれた文学作品のアンソロジーだと見なしてよいだろう。 …… とりわけ終戦直後、闇物資なしでは生きていけなかったということは、 老若男女を問わず、誰もが何らかの形で闇市に頼っていたということでもある。 作家達ももちろん例外ではなく、闇市の風景が描かれている作品は少なくない。…… 闇市を描いた本書の作品群はある種の窓のようなもので、その向こう側にある当時の日本社会を、 様々な角度から光で照らして見せてくれるのである。
著者 | マイク・モラスキー(編) |
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発売日 | 2015年8月21日 |
ページ数 | 340 ページ |
定価 | 1,700円(+税) |
判型 | 四六版並製 |
装幀・造本 | 藤巻亮一 |
ISBN | 9784774406053 |
目次
はじめに
経済流通システム
「貨幣」太宰治
「軍事法廷」耕治人
「裸の捕虜」鄭承博
新時代の象徴
「桜の下にて」平林たい子
「にぎり飯」永井荷風
「日月様」坂口安吾
「浣腸とマリア」野坂昭如
解放区
「訪問客」織田作之助
「蜆(しじみ)」梅崎春生
「野ざらし」石川淳
「蝶々」中里恒子
解説――マイク・モラスキー
マイク・モラスキー
1956年米国セントルイス市生まれ。1976年に初来日し、のべ20数年日本滞在。 2013年より早稲田大学国際学術院教授。日本語の著書に、『戦後日本のジャズ文化』 『占領の記憶/記憶の占領』『呑めば、都』
『日本の居酒屋文化』など。 趣味は将棋、尺八、太極拳、落語鑑賞、そして路地裏の赤提灯探索。
本人曰く、「このジジイ臭い趣味群では、ぐんぐん高齢化する日本社会にいくらでも適応できるだろう」。