会津、わが一兵卒たりし日よ
月光叢書第2弾! 会津150年の悲しみを繋ぐ第1歌集
「ぼくは砂を胸に流して立っている砂時計に似てただ佇っている」
津波で友を喪くした竫かなる絶唱である。同時に会津戊辰戦争の悲劇を、福島が背負い込まなければならなくなってしまった原発事故を、時代と人間との悲しみを、砂となって還元させているのである。曾祖父が戦った戊辰戦争から150年、本年は日大闘争突入50年に当たる。(福島泰樹)
150年前の戊辰戦争、50年前の神田カルチェラタン闘争、そして福島の現在を繋ぐ第1歌集。
著者 | 矢澤重徳 |
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発売日 | 2018年12月14日 |
ページ数 | 224 ページ |
定価 | 2,000円(+税) |
判型 | 四六判上製 |
装幀・造本 | 栗原奈穂 |
カバー写真・ イラスト |
佐中由紀枝 |
ISBN | 9784774406695 |
目次
会津、わが一兵卒たりし日よ
波濤/敗走/黙契/上野/待つ/帰郷
磐梯、母、花火
薄化粧/停電/青空/花曇
人生の岸辺に
坂道/声/名札/ジャンヌ・ダルク/磐越西線
椿坂、テネシーワルツ
夜想曲/雨/テネシーワルツ
跋(一兵卒の歌)福島泰樹
あとがき
以下、歌集より抜粋
板硝子かたかたと鳴る窓並ぶ会津連隊跡地のカフェの
折り返す人もありけり若きらの白虎の墓碑に忘れ雪飛ぶ
地吹雪に口をしっかり結びたり佇ちつくす胸のそのがらんどう
この町を出ようという西出丸椿坂は雪 さむざむと見き
堪らなくなればダリアを聴きに行く火のごとき酒並ぶ酒場へ
駅の北に磐梯山がそっと立つ仲間外れのようであったよ
矢澤重徳(やざわ・しげのり)
1951年、福島県生まれ(会津若松市在住)
1990年、月光の会(主宰・福島泰樹)入会
2004年、福島県文学賞短歌奨励賞受賞