皓星社(こうせいしゃ)図書出版とデータベース

阿佐ヶ谷歳時記

阿佐ヶ谷に五十年つづく名酒場・だいこん屋主人による、酒と俳句の日々。

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「だいこん屋」はまさに、私の青春そのものだった。――逢坂剛

捕鯨船の船長は、「酒力」と「酒場術」を恃みに陸にあがった。
阿佐ヶ谷に五十年つづく名酒場・だいこん屋主人による、酒と俳句の日々を描いたエッセイ集。

拙稿の花暦の種は、阿佐ヶ谷を中心とした細道の迷路を、何年も徘徊して拾ったものです。はじめは車の通らない裏道を択って歩いていたのが、次第に更に細い道、知らない道と択ぶようになった結果なのです。 われわれ酒場稼業の者で、自身も酒好きな人間は、目覚めた時はまだ前日の酒が残っていて、すぐ食事を取る気にはなれません。ところが一時間ばかり速足で歩くと食欲も湧いてきます。道筋に咲く木や草の花に接することで、俳句を拾うチャンスに恵まれる利がありますし、一度覚えた木々の開花を、毎年訪れてみる楽しみもあります。
(「まえがき」より)

著者 松本純
発売日 2024年1月29日
ページ数 352 ページ
定価 2,000円(+税)
判型 四六判並製
装幀・造本 間村俊一
ISBN 978-4-7744-0816-3

松本純(まつもと・じゅん)

一九三六年、東京都練馬区生まれ。東京水産大学漁業学科、専攻科終了後、日本近海捕鯨株式会社に入社。捕鯨船に乗り世界各地を周った後、陸に上がる。一九七二年、阿佐ヶ谷にだいこん屋開店。一九七三年、すずしろ句会発足。二〇二三年、死去、享年八十六。著書に第一句集『三草子』(日本一行詩大賞新人賞)、第二句集『一揃』がある。