住まいの事件簿
「都市住宅」創刊より「住まい学大系」まで、半世紀以上にわたり建築メディアの一線に立ち続けた著者による住宅見聞、批評と回顧録。
住宅は美術作品みたいに勝手な批評はできない。げんに人が住んでいるし、その人こそが終始一貫してつくり手なのである。ではその場がたしかに現実なのかと言えばそうではない。その場が建築ならば、建築は現実だけでは生きられないからだ。どんな建築にせよその死活は、本当と絵空事とのあいだにかかっている。日本の建築家はその関係を徹底して突きつめ、その心臓部から建築全般に血を行き渡らせようとしてきた。たんにリージョナルな領域のこととしてではなく、世界が日本の建築に関心をもつとしたら、この追求の普遍性に対してである。(本書より)
新築の知らせに足を運び、歳月を経た名作を再訪。伝説の雑誌「都市住宅」創刊より書籍シリーズ「住まい学大系」完結まで、半世紀以上にわたり編集長として建築メディアの一線に立ちつづけた著者によるおりおりの住宅見聞、批評と回顧録。
2010年代初頭から2025年にいたる論考・エッセイを集成。
| 著者 | 植田実 |
|---|---|
| 発売日 | 2026/9/26 |
| ページ数 | 304 ページ |
| 定価 | 予価3,500円(+税) |
| 判型 | 四六判上製 |
| カバー写真・ イラスト |
植田実「グァルダに近く」 |
| ISBN | 978-4-7744-0891-0 |
目次
Ⅰ
施主の残像
建築の本当と絵空事
住まいの手帖2011 二宮の旧吉田五十八邸/藤井博巳「宮島邸」/武山肇「谷中の家」/藤森照信「空飛ぶ泥舟」/伊東豊雄「シルバーハット」「中野本町の家」/江戸東京たてもの園「植村邸」/千葉学「STUDIO御殿山」
住まいの手帖2012 原広司自邸/尾形優+尾形一郎「タイルの家」/手嶋保「道灌山の家」/浜口美穂「江古田の家」/スタジオ・ムンバイ「夏の家」/納谷学+三菱地所ホーム「GOTENCHO APARTMENT」/納谷学「野沢の住宅」
Ⅱ
どこまで現実? 「住む」はメディアの逃げ口上
間取りの先にあるもの
長谷川豪 住まいの輪郭/青木淳 距離の恩恵/山本理顕 中心への景色
住まいの手帖2013 宮原輝夫+谷口尚子「ギャラリーを兼ねた住宅」/同潤会上野下アパートメント/苔原順二+阿部勤「与野本町の家」/江戸東京たてもの園「デ・ラランデ邸」/光嶋裕介「祥雲荘」/石黒由紀「北町の弁天宮新祠」/8号室・2号室/和田堀給水所と在林館
住まいの手帖2014 沢田マンション/朝倉彫塑館/土浦亀城自邸/藤田雄介「花畑団地27号棟」/公営団地55団地/富岡製糸場工女寄宿舎/妹島和世「再春館製薬女子寮」/グランド・シャルトルーズ修道院/長田天神町1丁目/磯崎新「鳥小屋」
Ⅲ
虚実の建築
隠された方向 堀部安嗣の建築を読みとく
住まいの手帖2015 端島複合体/同潤会木造分譲住宅/曾根中條建築事務所「小笠原伯爵邸」/旧東京市営店舗向住宅/堀部安嗣「阿佐ヶ谷の書庫」/高野保光自邸「縦露地の家」/東孝光自邸「塔の家」/倉本たつひこ自邸「ニセコの斜塔」
住まいの手帖2016 乾久美子「ハウスM」/村山徹+加藤亜矢子「ペインターハウス」/黒沢隆自邸「わたしの個室、ヒロコの個室」/浜崎一伸自邸「2cGR」/双木洋介「岩沢の住宅」/宮本隆司「九龍城砦」「CARDBOARD HOUSES」「ピンホールの家」/ケーススタディハウス
Ⅳ
団地 戦後の生活水準を底支えした建築計画学の結晶
暮らしの前触れ 広瀬鎌二
住まいの手帖2017 北京・円明園西洋楼/増田彰久「中国の近代建築遺産」/国際建築協会『現代住宅1933-40』/安藤忠雄「住吉の長屋」
住まいの手帖2018 下谷区竹町/セキスイハウスA型
Ⅴ
手紙 倉俣さんへ
清家清「私の家」再読
「一人都市」にいたる住宅の見え方 原広司
磯崎さんは終わりが見えるまで考えつづける人
土浦亀城邸の魅力
初出一覧









