皓星社(こうせいしゃ)図書出版とデータベース

歌誌月光 76号

追悼・佐久間章孔

 

○佐久間章孔 作品選(選・福島泰樹)より

契約にあるからそれはそうですね花吹雪く夜半のあのネロの首

ここに降るは時代時雨かぼくたちの蛇の目の傘は折れてしまった

青蚊帳の裾を持ち上げ差し招く夜目にあえかな姉様あねさまの指

われわれの時代はむなしく過ぎ去って肺腑を白く染めるウイルス

 

歌人・福島泰樹主宰の「月光の会」が発行する短歌雑誌。今号は、「稀にみるストーリー・テラー、口語文脈派一人称饒舌体短歌の創始者」(福島泰樹)であった会員・佐久間章孔を偲ぶ。その他、福島泰樹による詩人・長澤延子の鑑賞連載「延子絶叫 第四回」、重信房子の「自由への星 Ⅱ」を掲載。書評は『抒情が目にしみる 現代短歌の危機』(藤原龍一郎著、六花書林)。

著者 福島泰樹(主宰)他
編者 竹下洋一
発売日 2022年12月27日
ページ数 118 ページ
定価 1,000円(+税)
判型 四六判並製
装幀・造本 藤巻亮一
カバー写真・
イラスト
佐中由紀枝
ISBN 978-4-7744-0780-7

目次

短歌一

家書家伝 竹下洋一

象られるⅩⅧ オールドファッションド 大和志保

ずくしがき 潮 なぎさ

留置針 窪田政男

備忘録 2022.11.15(火)晴 サキさんの戦い 矢澤重徳

追悼藤岡 巧

襤褸 武藤雅治

執して 髙嶋和惠

特集 追悼・佐久間章孔

佐久間章孔作品選 福島泰樹

あの黒い夢だよ ── 佐久間章孔六十首選解題 福島泰樹

同志は去りぬ 藤原龍一郎

うしろめたさとユーモアと ──佐久間章孔を悼む── 岡部隆志

『洲崎パラダイス・他』編集のころ──追悼・佐久間章孔 晴山生菜

抜読 ブランキ殺し 渡邊浩史

佐久間さんから学んだこと 中田 實

資料 漏刻(水時計)抄 佐久間章孔

資料 時評 『前衛』と天皇制 佐久間章孔

資料 佐久間章孔歌集附録 時代、消去、歌物語 福島泰樹

短歌二

たんぽぽと海 櫻井真理子

日常 臼井敦子

追憶 Kさんの話 高橋凜凜子

誄歌 中田 實

通信 鹿野 氷

人間は…… 川崎秀三

音楽 千田桃子

本の象 晴山生菜

夏ほどけゆく 夏野ひぐらし

procedure 五十嵐博信

Kの肖像40 宮野克行

爺ちゃん 一桂案二

連載

延子絶叫  第4回 「雲」 十五歳最後の詩 福島泰樹

書評  『抒情が目にしみる 現代短歌の危機』(藤原龍一郎著、六花書林)

時代を撃つ抒情藤原龍一郎『抒情が目にしみる 現代短歌の危機』を読む岡部隆志

藤原龍一郎著『抒情が目にしみる 現代短歌の危機』(六花書林)という恋文を読む窪田政男

連載

自由への星 重信房子

短歌三

アイドル 小田那津子

ふるさとの風 久慈博子

花の下にて 来栖微笑

白旗 楠本夏菜

美しき国 舛山誠一

女・ひとり(冬) 加藤保典

1秒に20回つつくへ 鎌田圭一

大英帝国エリザベス女王陛下崩御 福間三九郎

Great Escape 菅原あこ

毒薬 黒羽 濫

松陰先生へ 小河内仁美

連載

神保町のんしゃら日記 10 晴山生菜

月光シネマテーク46 あした花咲く庭で 11 渡邊浩史

きょうの百葉箱 笑いと人の命と悲しさと 潮 なぎさ

天神亭日乗 12 来栖微笑

第十回黒田和美賞発表

月光歌筵前号作品評  窪田政男/前号作品評 綿田友恵/前号作品評 楠本夏菜

月光通信

編集後記