射こまれた矢 能登恵美子 遺稿集
『ハンセン病文学全集』もう一つの物語
ハンセン病のことに打ちこむ人は、矢を射こまれたようにこのことに打ちこむ。能登さんは、そういう人の一人だ。この矢を抜いてくれと叫びたいときはあっただろう。しかし、矢を抜いてもらわない生涯を生きた。(鶴見俊輔 序文より)
能登恵美子は、『ハンセン病文学全集』完結を目指し、全国の療養所を回って地道に作品を集めた。ハンセン病患者達、全集の編者たちから絶大な信頼を受け、同全集を完結させた。そしてその年の3月、若くして亡くなった。
「わすれさせてなるものか」という決意の人生を歩んだ編集者の遺稿集。
著者 | 能登恵美子 |
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発売日 | 2012年3月1日 |
ページ数 | 166 ページ |
定価 | 1,000円(+税) |
判型 | 四六判上製 |
装幀・造本 | 安野光雅 |
ISBN | 978-4-7744-0467-7 |
目次
序文・鶴見俊輔・加賀乙彦
タイムカプセルに乗った書籍
隔離の園の子供たち―ハンセン病患者児童の作品を読む
「生の証し」後世へ集大成―ハンセン病「もう一つの運動」文学全集刊行
句集 むくろじ
あとがき
能登恵美子(のと・えみこ)
1961年3月、東京都豊島区に生まれる。
いくつかの出版関係のアルバイトを経て、1985年皓星社入社。『海人全集』(1993年)『ハンセン病文学全集』(2002年~2010年)などの編集を担当。2011年1月18日『ハンセン病文学全集』出版により第7回新聞社学芸文化賞。2011年3月7日、東京女子医大病院で逝去。享年49。