挿絵叢書6茂田井武 (一)幻想・エキゾチカ
挿絵叢書の第6弾!「挿絵の茂田井」の幻想と異国情緒
童画家の作品とは思えない幻想的でエキゾチックな挿絵の数々。 茂田井武が童画で名を馳せる前に書いていた異色な作品を蒐集。
茂田井武と言えば、絵本『セロ弾きのゴーシュ』で有名な童画家である。その茂田井が青年期に書いていたのは、雑誌の挿絵であった。その多くは、童画とはまったく異なる作風なのである。
本書では、茂田井が書いた挿絵のうち、幻想的な作品とエキゾチックな作品を、小説とともに紹介する。「童画の茂田井」とはまったく異なる、「挿絵の茂田井」の世界に読者をご案内しよう。 巻頭では、『退屈画帳』から厳選した作品5点をカラーで紹介。茂田井の挿絵デビュー作である横溝正史「かいやぐら物語」や、江戸川乱歩とコラボした「猫町」など、貴重な作品を一挙掲載。
著者 | 中村圭子(編) |
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発売日 | 2018年4月3日 |
ページ数 | 280 ページ |
定価 | 3,000円(+税) |
判型 | 四六判仮フランス装 |
装幀・造本 | 小林義郎 |
ISBN | 9784774406558 |
目次
巻頭カラー 「退屈画帳」茂田井武
序――浜田雄介
「かいやぐら物語」横溝正史
「血蝙蝠」渡辺啓助
「生不動」橘外男
「「滝夜叉」憑依」 髙橋鉄
「月下の亡霊」西尾正
「極東」小栗虫太郎
「髑髏笛」櫻田十九郎
「広東珍探記 骨董迷路」茂田井武
「広東珍食記 龍虎大会」茂田井武
「国際骨牌師」茂田井武
「猫町」江戸川乱歩
〈挿絵ギャラリー〉「猫島物語」林耕三
〈解説〉「茂田井武の生涯」中村圭子
〈解説〉「暗い幻聴とエキゾティシズム」末永昭二
【挿絵著者】茂田井武(もたい・たけし) 1908〜1956年
東京生まれ。童画家、挿絵画家。画家を目指し渡仏。帰国後は、様々な職業を経て、『新青年』などの雑誌に挿絵を描き始める。その後、童画を手がけるようになり、詩情豊かな作風が注目された。代表的な絵本に『セロ弾きのゴーシュ』、『ジャータカ物語』など。画集に『古い旅の絵本』などがある。
【編者】中村圭子(なかむら・けいこ)
1956年生まれ。弥生美術館学芸員。おもな編著に『魔性の女挿絵集』『日本の「かわいい」図鑑』『昭和美少年手帖』『谷崎潤一郎文学の着物を見る』(いずれも河出書房新社)などがある。