絆って言うな! 東日本大震災――復興しつつある現場から見えてきたもの
「絆」。
「助け合い」とセットで、東日本大震災の直後から爆発的に流布した言葉だ。
震災から五年……。いま「絆」を口にする人が、どれだけいるのだろうか。
絆とは、被災者と被災者以外の人をつなぐキーワードとして機能したのか?それとも、口だけの人助けによって空虚な自己満足を得るためのマジックワードだったのか?
本書では、震災直後から現在まで被災地の取材を継続している渋井哲也が、被災地や被災者の報道されない部分を報告しつつ、「絆」とは何だったのかを徹底検証する。
著者 | 渋井哲也 |
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発売日 | 2016年9月30日 |
ページ数 | 224 ページ |
定価 | 1,600円(+税) |
判型 | 四六判並製 |
装幀・造本 | 米村緑(アジュール) |
ISBN | 9784774406220 |
目次
はじめに
第1章―被災者とは誰のことなのか
第2章―崩れゆく被災者同士の絆
第3章―地域復興と翻弄される住民
第4章―震災の傷跡とどう向き合うのか
第5章―報道されない原発被害
第6章―エゴ、震災、そして絆
おわりに
渋井 哲也(しぶい・てつや)
1969年栃木県生まれ。フリーライター。1998年、長野日報社退社。若者の生きづらさ、自殺、自傷行為、家出、援助交際、少年犯罪、いじめ、教育問題、ネット犯罪などを取材。また、東日本大震災の取材も重ねている。著書に『明日、自殺しませんか』(幻冬舎文庫)『ウェブ恋愛』(ちくま新書)、『実録・闇サイト事件簿』(幻冬舎新書)など。