歌誌月光86号
特集 佐中由紀枝写真集『光の函』
水底にもえてきらめくもみじ葉をおぐらき茂み佇みて見き 佐中由紀枝
歌人・福島泰樹主宰の「月光の会」が発行する短歌雑誌。今号の特集は、1988年の創刊から長年『歌誌月光』の装画を手がけている画家・佐中由紀枝の写真集『光の函』(2024年)。インタビューでは、絵画、写真、木彫オブジェなど芸術を軽やかに横断する佐中由紀枝の作品制作の姿勢に迫る。「人の身体の中には四八億年分の記憶がインプットされているんですって。それが出てくるのは、言葉とはまったく関係のないところから。」(月光インタビュー13「言葉のない記憶から」より)特集では、斎藤真理子、間村俊一の寄稿のほか、写真集『光の函』に捧げる会員の連作を掲載。
編者 | 福島泰樹(主宰)他 |
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発売日 | 2024年8月31日 |
ページ数 | 108 ページ |
定価 | 1,000円(+税) |
判型 | A5判並製 |
装幀・造本 | 藤巻亮一 |
カバー写真・ イラスト |
佐中由紀枝 |
ISBN | 978-4-7744-0838-5 |
目次
巻頭作品
「大正十二年九月一日」以後 四 サーカスの歌 福島泰樹 4
魔女 鹿野 氷 6
家書家伝 竹下洋一 8
特集 佐中由紀枝写真集『光の函』 10
月光インタビュー13 佐中由紀枝 言葉のない記憶から 聞き手:大和志保 11
飛翔の瞬間に満ちた本 斎藤真理子 18
うつろう ―― 江戸川橋のセイレーンに 間村俊一 20
九階の家 福島泰樹 22
水と星の記憶 窪田政男 28
乱反射する風景 川崎秀三 29
In the Wars. 五十嵐博信 30
光の函 佐中由紀枝写真集より 髙嶋和惠 31
「タイヤ痕」と「よだかの星」 佐中由紀枝の作品世界 岡部隆志 32
無垢の予兆―― 永遠を見る者 『光の函 佐中由紀枝写真集』 窪田政男 36
アーティストの視点と黄金の手―― 『光の函 佐中由紀枝写真集』に寄せて 綿田友恵 38
『光の函』から 竹下洋一 40
短歌一
人間 吉田裕幸 42
夏の霧 楠本夏菜 43
鳥 皆月ヒバリ 44
日々 小田那津子 45
黄金色の雨 千田桃子 46
半獣 村上珠美 47
Kの肖像50 宮野克行 48
ある年の夏 久慈博子 49
蜥蜴 武藤雅治 50
風を通して 藤岡 巧 51
北国 山本 茂 52
さてさて夏 矢澤重徳 53
やさしき国・あたらしき戦前~題詠百首より 櫻井真理子 54
山河 臼井敦子 55
書評
万葉を源泉として 岡部隆志著『「悲しみ」は抗する』 武藤雅治 56
連載
わが稗史抄 第九回 山本 茂 58
蚯蚓の戯言 10 敗北と栄光――啄木・隆・邦雄・一彦・道彦―― 大林明彥 60
テロルと虐殺と「私」 関東大震災朝鮮人虐殺に関連して―其の七― 武藤雅治 62
短歌時評 触角と光、言葉の身振りについて(Ⅶ) 大和志保 64
自由への星 八月怨歌 重信房子 68
短歌二
虎落笛 麒麟と女房(一) 渡邊浩史 70
『Early80s 異人の夢、或いは蒼の時代』〈二〉 凛七星 71
無言館抄 綿田友恵 72
夏の庭 晴山生菜 73
どれも病葉 夏野ひぐらし 74
初夏 高橋凜凜子 75
東欧「春」色 舛山誠一 76
フクシマⅡ 福島県立双葉高校 杉山志保 77
「何でもいいから宴会ください」へ 鎌田圭一 78
無辜であること 菅原あこ 79
夏の色 白井大治 80
しまなみ海道ウルトラ遠足一〇〇㎞ 鏡 澄夫 81
火と文字 小河内仁美 82
日々の情景 足立尚計 83
婆ちゃん 一桂案二 84
ミソジニスト 尾松 亮 85
『撃攘』といふを 中田 實 86
山本義隆天晴れ 大林明彥 87
連載
月光シネマテーク55 あした花咲く庭で(20) 渡邊浩史 88
きょうの百葉箱 政治とお金と女性、そして光る都庁舎 潮なぎさ 90
天神亭日乗 22 来栖微笑 92
神保町のんしゃら日記20 晴山生菜 94
月光通信 96
月光歌筵Ⅰ 前号作品評 窪田政男 104/ Ⅱ 綿田友恵 106
編集後記 108