新版 吹雪と細雨 北條民雄・いのちの旅
ハンセン病の小説家・北條民雄の足跡を辿る作家論。
誰でも癩になつた刹那に、その人の人間は亡びるのです。--「いのちの初夜」
2・26前夜にハンセン病療養所から文壇デビュー、わずか23歳で逝った北條民雄。武蔵野から故郷・徳島阿南へとその痕跡を辿る作家論に、生誕100年を経て公表された事実を加筆した、20年振りの新版。
私自身には説明のつかない、偶然の導きによってたどり着いた七條家は、1995年に初めて訪れた、祖父、重以知の生家の隣家であった。これが何がしかの“暗号”であったなら、やはり、ゆるがせにできない縁であるように私には思われた。しかし、……それを公表するまでには、なお、北條民雄の生誕百年を待たなければならなかった。(新版あとがきより)
著者 | 清原工 |
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発売日 | 2021年7月30日 |
ページ数 | 280 ページ |
定価 | 2000円(+税) |
判型 | 四六判並製 |
装幀・造本 | 山崎登 |
カバー写真・ イラスト |
北条民雄肖像画(東條耿一) |
ISBN | 978-4-7744-0745-6 |
目次
柊――はじめに
Ⅰ 塩田平
Ⅱ 土地に刻まれしもの
Ⅲ 吹雪と細雨
Ⅳ 『山櫻』
Ⅴ 花瓶の花
Ⅵ 全生村へ
Ⅶ 傾城阿波鳴門
Ⅷ 白き海光
Ⅸ 粗い壁
Ⅹ 問われるままに
Ⅺ 旅の終わりに――冨士霊園文学者之墓
あとがき
新版あとがき
主な参考文献
清原工(きよはら・たくみ)
1961年、東京生まれ。86年、東海大学文学部文明学科アジア専攻西アジア課程卒。イバダン大学インスティテュート・オブ・アフリカン・スタディーズ(ナイジェリア連邦共和国)に留学後、日本ユネスコ協会連盟事業部長、世界遺産グループ・マネジャーなどを経てフリー。著書に『国境の人びとトランスボーダーの思想』(共著、古今書院)、
『雑草にも名前がある』(共著、文春新書)、『みんなの世界遺産4西アジア・アフリカ』、『日本とのつながりで見るアジア過去・現在・未来〈第6巻〉西アジア』、『日本の世界遺産4』、『日本の近代化遺産図鑑4中国・四国』(以上、岩崎書店)など。