シリーズ紙礫2街娼
シリーズ紙礫第2弾! 戦後70年「敗戦と性」をめぐる小説集
〈この本が紹介されました〉
・週刊朝日 2015年11月6日
・図書新聞 2015年12月19日
・図書新聞 2016年1月9日
・北國新聞 2016年1月23日
・山梨日日新聞 2016年1月24日
・ミセス 2016年3月
本書では終戦直後から現れた街娼―当時、「パンパン」と呼ばれていた女性たち―をめぐる小説が中心になっている。 当時、多くの女性はまだモンペや地味(または貧相)な和服を着ていた。そのなかでパンパンたちは派手な原色のドレスを身に纏い、真っ赤な紅をひいた口でラッキーストライクを吹かし、ハイヒールをカツカツと鳴らして街を闊歩していた。そうして堂々と占領軍に声をかける彼女たちはたくましく、しかもいち早く新しい世の中に順応しているようにも映っただろう。もし、闇市が戦後という新時代を代表する風景だったとしたら、パンパンはこの時代を象徴する人物だったといえる。あるいは、パンパンこそ戦後最初の〈新人類〉といってもよいかもしれない。
――マイク・モラスキー「はじめに」より
著者 | マイク・モラスキー(編) |
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発売日 | 2015年11月10日 |
ページ数 | 296 ページ |
定価 | 1,700円(+税) |
判型 | 四六版並製 |
装幀・造本 | 藤巻亮一 |
カバー写真・ イラスト |
堂昌一 |
ISBN | 9784774406060 |
目次
「黄金伝説」石川淳
「オンリー達」広池秋子
「北海道千歳の女」平林たい子
「蝶になるまで」芝木好子
「人間の羊」大江健三郎
「星の流れに」色川武大
「嘉間良心中」吉田スエ子
「ランタナの花の咲く頃に」長堂英吉
装画解説にかえて
下が川だった頃」堂昌一
解説――マイク・モラスキー
マイク・モラスキー
1956年米国セントルイス市生まれ。1976年に初来日し、のべ20数年日本滞在。 2013年より早稲田大学国際学術院教授。日本語の著書に、『戦後日本のジャズ文化』 『占領の記憶/記憶の占領』『呑めば、都』
『日本の居酒屋文化』など。 趣味は将棋、尺八、太極拳、落語鑑賞、そして路地裏の赤提灯探索。
本人曰く、「このジジイ臭い趣味群では、ぐんぐん高齢化する日本社会にいくらでも適応できるだろう」。