歌誌月光81号
月光! 新たな仲間たちによる秋の競詠、評言集
ひとは如何にして歌と出遭い、なにを思って歌うことの列に連なって行くのか。とはいえ歌に情を、志を、あるいはまた歴史を託し表現することは、決して特権的なことではない。そこからどれ程遠くまでたどり着くことができるかこそが、問われるのである。彼ら彼女らが、これからどのようなテーマを見出し、自らの韻律を獲得して行くのか。そしてどのような歌声を上げるのか。記紀万葉以来、常に問い直され、時々に更新されてきたこの古くて新しい問いは、いまも私たちの前に在る。その他、福島泰樹による詩人・長澤延子の鑑賞連載「延子絶叫」第7回、重信房子による短歌連載「自由への星」第7回を収録。
編者 | 福島泰樹(主宰)他 |
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発売日 | 2023年10月30日 |
ページ数 | 114 ページ |
定価 | 1,000円(+税) |
判型 | A5判並製 |
装幀・造本 | 藤巻亮一 |
カバー写真・ イラスト |
佐中由紀枝 |
ISBN | 9784774408026 |
目次
巻頭作品
大正十二年九月一日 福島泰樹
孤独の練習 大和志保
家書家伝 竹下洋一
不服従の意志 ─堆積する〈忿り〉の方位 加藤英彦
短歌一
無敵に花の 武藤雅治
半歴 髙坂明良
ナイトホークス 窪田政男
粒々が点滅するよ 川崎秀三
深夜のグラス 足立尚計
あやうき生きもの 藤岡 巧
夏の影 潮 なぎさ
白と青 鹿野 氷
ある姉妹 関東大震災(2) 高橋凜凜子
海むらさきに 髙嶋和惠
時評 触角と光、言葉の身振りについて(Ⅱ) 大和志保
月光! 新たな仲間たちによる秋の競詠、評言集
血ねばり 楠本夏菜
浮世の雀が見た景色 橘 世理
虚仮の轍〈二〉 凛七星
引揚者の子 舛山誠一
祭り 櫻井真理子
夢幻泡影 久慈博子
とくにある日々 有泉
わたしの猫 夏野ひぐらし
月光虹見ゆ 白井大治
Kの肖像45 宮野克行
ドミナント・トニック (君を想う) 五十嵐 博信
短歌二
禁猟区 佐々木 譲
むさし野 山本 茂
ZAP ZAP ZAPPING小田那津子
五〇二日目 千田桃子
一番旧い友だち 綿田友恵
本の象 晴山生菜
「シュンドルボンの雫」へ 鎌田圭一
好人物列伝 福間三九郎
時間の外 中田 實
「昨日より、家のうちに金といふもの一銭もなし」 小河内仁美
虎落笛 A Change Is Gonna Come V 渡邊浩史
希望 大林明彥
書評 「弱さ」と「強さ」 重信房子著『はたちの時代 60年代と私』を読む 岡部隆志
連載
テロルと虐殺と「私」 ―其の二― 武藤雅治
わが稗史抄 第四回 山本 茂
蚯蚓の戯言 5 大林明彥
自由への星 夏日記 重信房子
延子絶叫 第7回 純潔の詩 福島泰樹
コトバ数だけ数えうたの二十 山崎春美
月光シネマテーク51 あした花咲く庭で (16) 渡邊浩史
天神亭日乗 17 来栖微笑
きょうの百葉箱 加害の芽はどこに育つか 潮 なぎさ
神保町のんしゃら日記 15 晴山生菜
月光歌筵Ⅰ 前号作品評 窪田政男
Ⅱ 綿田友恵
Ⅲ 五十嵐博信
月光通信
編集後記