皓星社(こうせいしゃ)図書出版とデータベース

全国タウン誌総覧―地域情報誌・ミニコミ・フリーペーパー・8700誌

全国各地のタウン誌、8700誌を通覧できる画期的な書誌

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日本国内の各地域で作られ地域の情報を発信する、いわゆるタウン誌(※)約8700タイトルの書誌情報を収集・統合して地域別に排列。「地域」「誌名」「別称」「出版者」「刊行期間」「刊行頻度」「大きさ」「誌名変遷」「注記」の9項目に加え、「所蔵機関」の項目を設けて利用者の便を図った。「誌名」「出版者名」の2種類の索引を用意し、編著者による「タウン誌の歴史」「『全国タウン誌総覧』の作り方」と小林昌樹(元国立国会図書館)による解説「『全国タウン誌総覧』の意義とタウン誌の効能」を付す。

※web 媒体/電子書籍のみのもの、新聞(県紙や市町村対象の地域紙)、地域で出されていても学校・団体の機関誌、文芸誌、コミック誌、求人情報誌、住宅情報誌、地方史研究雑誌は原則収録対象外

※※本書は皓星社友の会の「誕生日プレゼント」対象外です。

著者 柴田志帆
発売日 2022年9月7日
ページ数 632 ページ
定価 15,000円(+税)
判型 B5判上製
ISBN 978-4-7744-0770-8

推薦

わが街再発見、旅の楽しみ、地域研究、出版史、用途は限りなく

どこの街に出かけても、駅に降り立ち、商店街を歩き、書店や図書館のパンフレット棚に目をやれば、ローカル趣豊かなタウン誌の一誌や二誌はたやすく手にすることができる。情報発信はWebの時代にあっても、コミュニティツールとしての存在感は衰えない。だが、その手軽さ故に、読み捨てられ、保存はもとより記録すらも残されることは少ない。
そうした日本全国津々浦々の刊行物に光を当てて約8,700点も掘り起こし、創刊年月、休廃刊、刊行頻度、誌名変遷、さらには所蔵機関、テーマ、読者対象、出版地域、関連文献まで調べ上げたことに驚嘆する。中でも所蔵機関はポイントで、国立国会図書館から地域の公共・大学・専門図書館、博物館、文学館に及ぶ。利用の便のみならず、図書館等における郷土資料収集にも益するであろう。網羅性と書誌記述の精細さにおいて、これほどに意の尽くされた類書はない。
(『地方史文献年鑑』編集者 飯澤文夫)

 

タウン誌の書誌の決定版

書誌と言われるものの分け方の一つに、網羅的と選択的というものがある。選択書誌というのは、特定のテーマに関する文献を、編者の目で選んで収録しているもので、おすすめ本リストなどが該当する。松岡正剛「千夜千冊」なども選択書誌の一種だろう。
一方の網羅的の方は、一般に主題書誌と呼ばれるもので、特定のテーマに関する文献を網羅的に収録している。人物研究をしている人などにとっては、当該人物が出演したラジオ番組まで教えてくれるような網羅的な書誌は、それこそ研究の死命を制するほどに大切なものだろう。
選択書誌の信頼性は、一にかかって、学識に基づく編者の鑑識眼によっている。編者が選んでくれたからこそ、選ばれた文献に価値を見いだせるのである。
では、主題書誌の信頼性はどこから生まれるのだろうか。当該テーマに関する知識はもちろんのこと。文献探索のスキルも必須だろう。しかし、それだけでは十分ではない。落ち穂拾いのように、見逃した文献を丹念に見つけ出しては収録し整理してゆくという根気のいる作業を粘り強く続けていった先に、初めて信頼の置ける書誌が生まれるのだ。
タウン誌は、発行母体も発行形態もまちまちで、有料のものも無料のものもある。発行地域が限定されている上に、読み捨てが前提となっているような刊行物だから、残りにくく見つけにくい。なかなか手強い出版物である。しかし、地域の暮らしの様子を知る上では欠かせないものでもある。
本書は、こうした有用でありながら探しにくいタウン誌の書誌の決定版である。タウン誌に関する編者の知識を知りたければ「タウン誌の歴史」を見てほしい。文献探索のエキスパートが根気よく作成したものであることは「『全国タウン誌総覧』の作り方」や「所蔵機関」「典拠一覧」を見れば一目瞭然である。コミュニケーション研究者や郷土史家だけでなく、地域資料・郷土資料を所蔵する図書館にとっても必備の図書であろう。
(石川県立図書館長・慶應義塾大学名誉教授 田村俊作)

 

 

目次

はじめに
凡例
典拠一覧
全国タウン誌総覧
タウン誌の歴史
『全国タウン誌総覧』の作り方 ─あとがきに代えて─
解説 『全国タウン誌総覧』の意義とタウン誌の効能 小林昌樹
誌名索引
出版者名索引

柴田志帆

1984年生まれ、茨城県出身。2007年慶應義塾大学文学部図書館・情報学専攻卒業後、レファレンスツールの専門出版社で書籍編集に従事。現在は、茨城県内の公共図書館で働く傍ら、茨城県出身の女性を応援するフリーマガジン『茨女』の編集に携わる。