レファレンスと図書館 ある図書館司書の日記
図書館は、本を貸すだけの場所じゃない!
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・図書新聞 2020年2月8日
・地域人 54号 2020年3月
「与謝蕪村全集はありますか?」「ワニの捕まえ方を書いた本はありますか?」「昭和が終わったらどうしたらいいでしょう?」……レファレンスカウンターには、毎日いろんな人がやってくる。
昭和最晩年、レファレンス現場の「ジグザグ」な実態を描いた名著、『ある図書館相談係の日記』を大幅に増補復刊。
当時レファレンスは、貸し出しの付属サービスだと思われていた。そうではなく、レファレンスは、 サービスを通して社会全体の情報資源を有効に活用するためのもの。もっと言えば、ひとびとの生活や仕事、地域社会をよりよいものにしていくと同時に、「知る権利」をはじめとする憲法的な価値を実現するサービスだという、今のぼくの考え方に近い考えを、当時持ちはじめていた。これは今の社会の中で非常に重要な考え方だと思う。(解説対談より)
著者 | 大串夏身 |
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発売日 | 2019年11月21日 |
ページ数 | 248 ページ |
定価 | 2,000円(+税) |
判型 | 四六判並製 |
装幀・造本 | 藤巻亮一 |
ISBN | 9784774407180 |
目次
はじめに─相談係の1日
ある図書館相談係の日記文献・情報の調べ方
思い出に残るレファレンス相談質問事例
解説対談 レファレンスの理論と実践、そしてこれから 大串夏身×小林昌樹
『ある図書館相談係の日記』成立前史/「でもしか司書」からの脱却/貸し出しとレファレンスの質的な違い/商用オンラインデータベースが登場した時代/レファレンスは図書館の存在意義の要/「ある図書館相談係」の日々/現場のレファレンスは「ジグザグ」している/東京都立図書館の先輩・同輩たち/『ある図書館相談係の日記』の反響/書誌調査と事実調査/図書館には多様性があっていい/日本文学学校のこと/いろいろな「図書館本」を作る/「チャート式」はどうしてできたか/名作ビデオ『図書館の達人司書実務編』/大学での仕事/これからのレファレンス
参考資料
索引
イベント
第21回図書館総合展出展、大串先生トークショー開催
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大串夏身[おおぐし・なつみ]
東京都出身。早稲田大学文学部卒業後、1973年東京都立中央図書館に司書として勤務。1980年から85年財団法人特別区協議会調査部、その後、1993年東京都企画審議室調査部から昭和女子大学に勤務。現在、昭和女子大学名誉教授。文部省地域電子図書館構想検討協力者会議委員などの委員等を多数つとめる。『挑戦する図書館』青弓社、2015年など著作多数。
協力 小林昌樹[こばやし・まさき]
1967年生まれ。国立国会図書館。著書『雑誌新聞発行部数事典――昭和戦前期 附.発禁本部数総覧』(金沢文圃閣、2011年)ほか。