皓星社(こうせいしゃ)図書出版とデータベース

神保町のんしゃら日記(2024年11月)

11月
1日(金)来週からの図書館総合展の準備で大詰め。ギリギリでポスターを印刷しに行ったり、会場配布用のアンケートを印刷し、箱詰めして発送の手配をし……。ブックフェスティバル終わって1週間で、どうなることかと思ったが、とりあえず形になりそうだ。

4日(月・祝)午前中、南郷公園で腐葉土をもらう。葉山町民はここで誰でも、無料で腐葉土と草木堆肥をもらうことができる(!)ので、重宝している。帰ってきて、みなとみらいのパシフィコ横浜に、図書館総合展の事前設営にいく。大体のレイアウトなどのあたりをつけて帰宅。夜は、Iさんが釣ってきた白甘鯛、カサゴ、イトヨリを酒蒸しにして食べる。美味しい。

5日(火)今日から図書館総合展。出展はコロナ以前以来なので、かなり久しぶりだ。ここで、新しいデータベース「じんぶつプラス」のお披露目をする。設営して河原さんと打ち合わせ。ブースでの案内中は久しぶりの方や、意外な再会があったりした。じんぶつプラス、反応は上々だ。途中で店番を河原さんとかわり、出社。

6日(水)通常通り出社し、午後から図書館総合展で店番。朝葉山から会社に出て、昼に横浜まで戻るのは効率が悪いといいえば悪いのだけれど、会社でしないといけないこともあるし、しょうがない。電車の中で今度翻訳刊行したい韓国の作品の下訳を読む。抜群にいい作品。いい天気で、まどから差す秋の陽が気持ちいい。

7日(木)今日も午後から図書館総合展で、終了まで会場にいる。最終日にも駆け込みで、深い関心を寄せてくれそうな方達が立ち寄ってくれて充実した3日間だった。終了後河原さんと反省会しながら晩御飯を食べて帰る。反省もあるけれど概ね、来場者の反応はよく、実証実験の参加者も一定程度まとまった。

8日(金)図書館総合展が終わったのでひと段落とはいかず、今日から来週の実証実験のための準備。実証実験のお誘いのメールを、ブース来場者と、ざっさくプラスの契約者に送る。

12日(火)著者の方と楠本さんと3名で、新企画(出版)の打ち合わせ。期待していた話は、いろいろな事情あってなくなり、すこし残念ではあったけれど、今後に繋がる話もあり、それでよしということにする。次、次。尹東柱の話が出たので『空と風と星と詩』を再び手に取る。十年近く前に読んだはずなのに驚くほど記憶がないが、ものすごくいい詩がたくさんある。

14日(水)図書新聞の最新号一面で『鎌田慧セレクション』が特集される。大々的に扱ってもらいありがたい。「永すぎた無罪判決」の見出しが重い。警察は悪い。でも世間の無関心や思い込みが加担した部分もあったろう。自分も含め多くの人は袴田さんを「死刑囚にした側」に属する。夜は往来堂書店で南陀楼さんのトークショー。新刊の簡単な宣伝もさせてもらう。『姉と弟』(岩波書店)を買い、読み始める。

15日(金)今日から「じんぶつプラス」の実証実験開始。ざっさくプラスの契約者を中心にそれなりの参加者が集まってくれた。さてどんな結果がでるか。

16日(土)もうすぐIさんの誕生日なので、今日は久しぶりに一緒に寿司を握ることにする。マグロ(カマトロの部分)、ウニなどなど買う。それなりの値段とはいえ、外食するよりもずいぶん経済だし、何より楽しい。素人寿司なのでご愛嬌のレベルだけど……。スーパーの帰り、今日も南郷公園で腐葉土をもらう予定だったのに、行ってみると、ヤスデが発生中で持ち帰り禁止になっていて、落胆する。

17日(月)藤巻さんと来年度の予算の打ち合わせ。

19日(火)夕方、南陀楼綾繁さん来社。『書庫をあるく』の最終打ち合わせ。これでほぼ校了。

22日(金)『書庫をあるく』入稿日。ギリギリまで作業してしまいいつもの如くデザイナーの亮一さんに面倒をかける。

23日(土)日本近代文学館へ「編集者かく戦へり」展を見に行く。最終日の駆け込み。作家と編集者の格闘、研鑽、友情が資料から見えてきて面白かった。こういう時に紹介されるのは「いい編集者」だ。そういう視点で見ているとつい賛美の目でみてしまうのだが、編集者として優秀であることと、経営者としてすぐれていることは違う(というより相反することさえある)。優秀な編集者が、独立して会社をつぶしたというのは、よくある話だ。坂本龍一の父・坂本一亀の資料も多数展示されていたが、河出書房退職後に作った構想社は、現在存続してはいない。この2つを両方追求するのはとても難しいことなのだ。よき家庭人を両立することはさらに困難だろう。
夕方、南郷公園経由(まだヤスデで禁止中。2月中ばまでもらえないらしい)で、スーパーへ。インカのめざめ類をたくさん買ってきてフライドポテトを作る。揚げ物は切って油に入れるだけなので、意外と手間がかからない。その合間でウンウン唸りながらあしたの歌会の短歌を作る。題詠は「のぼる」。《手に足に胸に頭によびかける おやすみ、わたし おやすみ、わたし》題詠的にはちょっと苦しいかな。

24日(日)6時に起きて出社、トートバックなどの荷物を持って、クレヨンハウスへ。今日は鎌田慧さんの講演会。落合恵子さんに初めてお会いする。流石に緊張。朝10時からだというのに、60人近い会場参加者が詰めかけてくれ満席、本もよく売れた。終了後は、K-BOOK FES経由で、月光の歌会へ。1日3件ハシゴは流石につかれた。でも、会社のなかにこもってパソコンにむかっているよりもずっといい。

25日(月)『書庫をあるく』カバーの色校正ができてくる。いい感じ、いい感じ。

29日(金)月末の支払い処理、来週からの出張準備など。夕方、渋谷で風間サチコさんの「人外交差点」の展示を見る。渋谷駅から会場までの道中にならぶ街路樹いっぱいに電飾が付いている。まだ点灯前なのでまるで大きな虫がひしめいているようで、悪趣味に見えて仕方ない。そのあとは会社に戻って月光編集会議、ギリギリ終電で帰る。神保町ブックフェスから図書館総合展までの一連の仕事で慌ただしく、細かい記憶がない。今年もあと1ヶ月だ。来月はもうすこし落ち着いて仕事を進めたいところ。

【おもな登場人物(登場順)】
Iさん 著者のパートナー。釣り好き
河原さん 弊社データベース部部長 12月に初の著書『出版人物落ち穂ひろい』を刊行
楠本さん 弊社編集者 直近の担当書は『二代男と改革娘』
藤巻さん 弊社創業者 むかしばなし、などぜひお読みください
亮一さん 弊社デザイナー 面白いTシャツ好き