ハンセン病文学全集 第1期・第2巻(小説二)
[編]大岡 信・大谷藤郎・加賀乙彦・鶴見俊輔
[著]森 春樹・氷上恵介・甲斐八郎・風見 治・桜井哲夫
戦前の「不治の時代」から、特効薬プロミンの登場により「治る病」となる戦後へ。療養所内の変化が本巻収録の18編の小説群から浮かび上がる。
森 春樹/「汚れた金色」「祭りの前夜」「蛍光」「いけにえ」「雪の花は」「弱肉強食」
氷上恵介「オリオンの哀しみ」
甲斐八郎/「九年間」「崖」「その日」「海の上で」「飢えの記録」
風見 治/「鼻の周辺」「不毛台地」「不在の街」「絆影」
桜井哲夫/「久遠の花」「盲目の王将物語」 加賀乙彦「解説」
加賀乙彦「解説」
『鼻の周辺』は、造鼻手術を受けた話である。……鼻を顔につけた人間の心理が、ゴーゴリ風の滑稽な書き方ではなく、むしろ、ハンセン病にかかった人の切実な願望の成就として、一直線に描かれている。……小説書きとしての風見治の才能はもっと知られていいと私は思う(加賀乙彦 第2巻解説より)
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