日本の現代史に光をなげる
ハンセン病のため、はなればなれになったひとつの家族が、ここにえがかれている。感情をおさえた文章によって、一家の肖像があらわれる。
著者の発病を医師にしらされる場面、そこまでつれていった父が、わが子に、もうつとめ先にもどらなくていい、まっすぐ家にかえれという。愛情のこもったその言葉づかい。
九十年つづいた悪法のかげにその家族の姿があった。
(鶴見俊輔) ――オビより
著者関連リンク
◇パネル展メッセージ(全療協 執行委員 平野 暉人さん)「人
と会うのが怖い」
◇ハンセン病シンポジウムinあいち――ハンセン病を正しく理解するために――
→シンポジウム録(PDF形式/198KB)
平野さん、シンポジストとして参加
◇せこゆきこ日記
目次
家族の肖像
1 兄の死から見えてくるもの
2 家庭崩壊のはじまり
3 京都を追われて新天地へ
4 忍び寄る病魔と第ニの犠牲者
5 家族の離散と戦争
6 国民に隠された大地震と空襲の追い打ち
7 戦後に望みを繋ぐが相次いで発病
8 新たな生活のはじまり
9 兄を求めて東京へ
10 病気を秘して自立の道に
11 過去を秘し通した社会生活
12 社会と療養所の間で
13 人権裁判の勝利と母の墓
著者への手紙
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