とがなくてしす――草津重監房の記録
沢田五郎 著
著者紹介
1941年、11歳で群馬県草津町の国立療養所栗生楽泉園へ入園。19歳から減退しはじめた視力は25歳で完全失明にいたる。22歳から作歌をはじめ、今春、本書とほぼ同時期に第五歌集『夜のほととぎす』を出版。
1989年刊行の第三歌集『その木は這わず』、2003年刊行の『風荒き中を――ハンセン病療養所で送った青春』(ともに小社刊)もある。
隔離撲滅政策の象徴である栗生楽泉園の「特別
病室(重監房)」の実態を、自らの見聞に基づき後世に伝える執念の記録。
本書は1998年にぶんどうぱん通信から刊行されたものの増補改訂版である。初版を出してなお、著者の真相究明への熱は冷めず、今回の改訂版が完成した現在も、当時の真実を追求し続ける日々を送っている。
資料集には
「癩予防ニ関スル件」
「国立療養所患者懲戒検束規定」
「癩予防法」
「らい予防法」
「らい予防法の廃止に関する法律」
をおさめる。
目次
まえがき
とがなくてしす
特別病室はなぜ造られたか
昭和十七年暴動未遂事件
中村利登治のこと
特別病室は殺人罪に問えなかったのか
――昭和二十二年の人権闘争をめぐって
資料集
初版あとがき
改訂版あとがき
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