|
四六判・上製・314頁 定価2,900円+税
|
1999年12月発行 |
ISBN4-7744-0273-7 C1021 |
装丁 三谷靱彦 |
|
|
蘭学に命をかけ申し候
杉本つとむ 著
日本の近代化は明治維新によってかえってゆがめられたのではないか。 幕府は西洋諸国の学芸、技術、精神文化を日本に移植し、洋学による〈富国厚生、殖産〉を国家の最優先政策として強力にうちだした。その先端を担った馬場佐十郎、稲村三伯、藤林普山、H.ドゥーフ、野口豹蔵ら幕府翻訳方はじめとする幕末知識人とその協力者の仕事を明らかにし、その学問の今日的意義に及ぶ。索引付。
主要目次
第一話 森島中良――蘭語と魯語の世界に遊ぶ
一 森島中良と『紅毛雑話』
二 『蛮語箋』の成立事情
三 『蛮語箋』の構成と内容
四 森島中良の伝
第二話 稲村三伯――八万語のおらんだ語を翻訳する
一 稲村三伯と『波留麻和解』の訳編
二 京都蘭学の祖――海上随鴎
第三話 藤林普山――おらんだ語の世界を解剖する
一 京都蘭学の草分け
二 『訳鍵』の構成とその意義
第四話 H・ドゥーフ――日・蘭友好の記念碑『ドゥーフ・ハルマ』を編む
一 『日本回想録』とフェートン号事件
二 日本とH・ドゥーフ
第五話 蘭学に命をかけた人びと
一 野口豹蔵――江戸、蘭学徒の遺した学習ノート
二 馬場佐十郎――江戸翻訳文化の華を咲かせる
|