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「らい予防法」で生きた六十年の苦闘
第三部 廃者復活ものがたり
沢田二郎 著
人間讃歌の記録
十三歳で発病、ハンセン病施設への隔離。生死の境をさまよう大手術をなんどか受け、「原形をとどめぬ
までに身体を損ねた」という著者が、持ち前の楽天性と緻密さと人間としてのプライドによって、社会復帰をはたすまでの苦闘の記録である。
三人の子どもを連れて、結婚することを決意する女性の出現は、差別を超えて生きる、大いなる人間愛を示し、読むひとに人間への信頼をたしかなものにする。――鎌田
慧(オビより)
目次
第三部発刊によせて 金子満広
廃者復活ものがたり 宮下順子
一 患者自治会会長となる
二 五里霧中
三 やる気になる
四 支部長会議で「東北新生園」へ行く
五 ちょっとした間違い
六 多事雑事
七 当然のように再選される
八 広がる自治会活動
九 母の死ほか
十 初対面
十一 京都の一夜
十二 変わらぬいね子の心
十三 石村いね子という女性
十四 来年は会長を辞めて整形に来いと、成田先生に言われる
十五 再び京都へ行く
十六 一人歩きの始まり
十七 再び整形のため転療
十八 まだ、一年余り間がある
十九 いね子、草津へ来る
二十 決断
二十一 拠出制年金の運用
二十二 いね子、再び来草
二十三 マイナスからの出発
二十四 サイレンが鳴っても飯は来ない
二十五 タイプ印刷業を開業
二十六 開業時の苦労
二十七 一斉地方選挙で一時的繁盛
二十八 さみしい嫁いり
二十九 草津小学校から仕事が来る
三十 突然、長男が訪ねて来る
三十一 拡大する得意先
三十二 家を建てる
三十三 終章
あとがき
口述筆記を終えて 和田久子
沢田さんのコメントがあります。
◇静岡新聞/追跡
ハンセン病国賠訴訟和解についての記事。
◇明石海人のホームページ
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