手紙

四六判・上製・224頁 定価2,000円+税
2004年9月発行
ISBN4-7744-0371-7 C 0395
装丁 藤巻亮一
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手紙――ハンセン病元患者と中学生との交流
山口シメ子著


星塚敬愛園に暮らす著者が、東京・杉並区の中学生へ宛てた手紙。2カ月に1度の手紙は「社会科通 信」に載って生徒たちの手に届く。4歳で母や姉といっしょに強制収容されたこと、療養所内の分校のこと、結婚のこと、家族のこと、部屋の間取り、1日のスケジュール、好きな園芸・手芸のこと――気がつけば自分のすべてを語っていた。
「若く健康なあなたがたはもっとしっかり生き抜いてほしい」という著者の切なる思いが込められた1冊。

「一人の人間として、あまりにも失うものが多かった……」
「皆が平等であるというのが憲法の基本のはずが、私たちにはそれさえもなく、……九十年は長すぎて、もうほとんどの人の両親は亡くなり、その墓参も許されない……」
「ほんとうに一人一人の考えなのですよ。それが集団となって、患者は狩り出され、収容され、村を追われました。恐ろしい力、偏見……」――本文より


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