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四六判・上製・312頁 定価2,000円+税
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2002年10月発行 |
ISBN4-7744-0326-1 C 0095 |
装丁 藤巻亮一 |
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歌集とエッセイ 心ひたすら
浅井あい 著
著者の第4歌集となる本書には、1996年〜2001年の短歌とエッセイ10篇をおさめる。
「最近私は自分の過去についてしみじみ思うことが多くなりましたが、しかしそれと共に、あと幾年もないだろう余生を、ここに改めて生き抜いていきたい思いにも駆られるのです。」――あとがきより
浅井さんの作品は人間らしさとは何かを訴えかけてくる。国の政策のよらしめるところではあるが、世間の冷視、侮蔑に堪えながら、心は気高く、豊かに、そして暖かく文学表現を結実させている。時代の批判精神もたしかであり、決してひとりの閉鎖的なところにとどまっていない広がりがある。常識的な幸福感を超えたこの達成は、どれだけの苦しみを噛みしめたものか。口述を記録されたエッセイと共に味わうことで、この一冊を通
しての感銘はさらに深い。同情などを求めているのではない。ひとりひとりがしっかり生きよ、と訴えかけてくるのだ。――水野昌雄(オビより)
◆しんぶん赤旗 読書欄 2002.12.16
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