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四六判・上製・360頁 定価2,500円+税
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2002年10月発行 |
ISBN4-7744-0325-3 C 0095 |
装丁 藤巻亮一 |
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向日葵通り 田中美佐雄歌集
田中美佐雄 著
明治41年生まれの著者は2002年11月、94歳になる。
ハンセン病の発病が昭和3年、13年11月に草津の栗生楽泉園へ入園。30歳のときである。以来、60年以上を療養所で過ごしてきた(過ごさざるを得なかった)著者が、視力を失い、病気に耐えながらも詠み続けてきた短歌を本書にまとめた。
氏の作品は、その大部分が日々の生活から題材を得ています。確かにそれは、我々の概念から見れば、狭い世界かも知れません。しかし広さ狭さの尺度は、視点を変えれば、甚だ覚束ないものであることが判ります。
生命の神秘は、全ての生物に一様であるごとく、我々には単調と思われる日常生活の中にも、深遠な世界が広がることを、氏の作品が気付かせてくれるのです。まさしく心眼ならばこそ、身辺に広がる宇宙が見えるのでしょう。――国立療養所栗生楽泉園副園長・並里まさ子(オビより)
*本書のカバー絵は、同じく栗生楽泉園の鈴木時治さんの作品。田中さんと鈴木さんはお隣さんです。
『鈴木時治画集 生きるあかし―ハンセン病療養所にて―』も同時に刊行。
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