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四六判・上製・250頁 定価2,400円+税
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2002年9月発行 |
ISBN4-7744-0320-2 C 0095 |
装丁 三谷靱彦 |
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「らい予防法」で生きた六十年の苦闘
第一部 少年時代・青年時代
沢田二郎 著
昭和10年、小学五年生でハンセン病を発病。2年後、草津の栗生楽泉園に入園。一度、印刷業開業で社会復帰をするも妻が倒れ、社会復帰断念。
第一部には、現在は駿河療養所で第二部以降の執筆活動を続ける著者の、発病から、療養所で送るほかなかった青年時代をおさめる。
私は、沢田さんの原稿を読んで驚いた。何という記憶力。何という的確・簡潔な表現。平易なことばで、事実だけが淡々と綴られている。これこそが、深い谷底にあって星の光だけを見つめ、悲しみを突き抜けてきた人だけが示し得る、透明感なのだ。
次第に失われてゆく視力をふり絞りながら、沢田さんはこの作品の中に、何十年もの苦しみと、自分との対話の、すべてを書き切った。
私はこの本を読んで、仲間と語らい、朗読のボランティア活動を決意した。――NHK元・解説委員 小池 保(オビより)
目次
発刊によせて 金子満広
一 発病・栗生楽泉園へ入園
二 入園当時
三 寺子屋もどき
四 熱瘤
五 軽症者独身寮・天城舎
六 所内作業
七 苦難の始まり 昭和十六年
八 病棟看護と昭和十七年事件
九 四畳半を買い弟と住む
十 義務看護・特別看護
十一 症状の進行
十二 壮丁祝賀会
十三 看護婦の代診外科治療
十四 お骨が動く
十五 眼科医の逆治療
十六 凶兆か恵みか、笹に実がなる
十七 豚のために全員半食
十八 傷丹毒と鈴木義夫君の獄死
十九 兄戦死
あとがき
沢田さんのコメントがあります。
◇静岡新聞/追跡
ハンセン病国賠訴訟和解についての記事。
◇明石海人のホームページ
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