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四六判・上製・248頁 定価2,500円+税
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2007年11月発行 |
ISBN978-4-7744-0423-3 C0023 |
装丁 藤巻亮一 |
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やがて私の時代が来る――小笠原登伝
大場 昇 著
ハンセン病強制隔離に抗した医師の生涯
不治・隔離推進の学会光田健輔巨頭に「らいは治癒する」と、真っ向から対立した小笠原登の生涯と思想を、小笠原の足跡を訪ね、思索のあとを辿り、小笠原の患者だった回復者の証言に聞き、明らかにした労作。(国際医療福祉大学総長 大谷藤郎)
目 次
はじめに
第一章 健病一如
尾張四観音の筆頭・甚目寺観音/円周寺/登誕生/結核との闘い/医師への道/兄・秀実(号は思生・思安)/聖護院/病再発/療養の心得/父と母の死
第二章 京大「特研」
ハンセン病一筋に/ハンセン病とは/特研/診察室に立ちつくす小笠原/破れ仕事着/「療養の心得」/「癩はうつらない」/宗教と科学/あるエピソード/国民皆保険制度を提言/入院風景/金オルガノゾル/減食療法/食事療法の実際/「適食療法」の考え方/特研の人々/ふたりの医学徒/続 聖護院
第三章 小笠原VS光田
光田健輔/断種/懲戒検束権/沖縄の島に一大療養所を/もの言う小笠原/日本癩学会設立/「癩に関する三つの迷信」/小笠原VS光田 初の直接対決/満場を叱咤する獅子吼/無癩県運動/鐘と撞木
第四章 小笠原、封殺さる
前哨戦/「癩は治癒する」/癩は伝染によるのは二・五パーセントにすぎない/微研に緊張みなぎる/「其の罪万死に値す」/目撃者/「癩モ単ナル慢性ノ伝染病ニ過ギナイ」
第五章 「やがてわたしの時代が来る」
米軍の支援/特研を去る/国立豊橋病院/円周寺診療室
第六章 「奄美和光園」
国立の療養所へ/小笠原の園内往診/減食療法と漢方療法/島養生/「和光園の良寛様」/四天王/水俣病/著書二冊/島を離れる/貞明皇后医学振興賞
第七章 無縁仏
和光園退職
エピローグ
らい学会の反省表明/裁判/小笠原と光田/終わりに
あとがき
引用資料
参考資料
関連年譜
関連地図
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