2001.10.26創刊 ---------------------------------------------------------------------- ### 皓星社レファレンス・ガイド ### ---------------------------------------------------------------------- 図書館レファレンス業務のためのお役立ちニューズ・レター 2001.12.26 No.3 株式会社皓星社発行 編集担当:上田悟司 ---------------------------------------------------------------------- # 目次 # ---------------------------------------------------------------------- ○遂に完結『日本人物情報大系』全100巻 最終配本「宗教編」収録資料一覧 ○『人物』と『雑索』の使い方あれこれ 「保守と革新の日本的構造」の巻 ○ホットサイト イスラム映画「炎のアンダルシア」 ○編集後記 ---------------------------------------------------------------------- ---------------------------------------------------------------------- ○遂に完結『日本人物情報大系』全100巻 第10回配本「宗教編」収録資料一覧 宗教編(第91巻〜第100巻) 第91巻 1.宗教大観第四巻(読売新聞社)一九三三年 収録人数1,148名。 2.宗教年鑑 昭和一四年版(村田鉄三郎編輯)一九三九年 「職員録」および「人名録」 収録人数は、約12,000名。 第92巻 日本仏家人名辞書 増訂三版(鷲尾順敬)一九一七年 収録人数は、約6,000名。 第93巻 現代仏教家人名辞典(井上泰岳編纂)一九一七年 収録人数は、3,488名。 第94巻,第95巻 仏教年鑑(仏教年鑑社)一九二九〜一九三八年 「人事篇」、「現代著名仏家人名録」、「現代仏教家人名録」部分を収録。 収録人数は、延べで約32,000名。 第96巻 基督教名鑑(堀田達治編纂)一八九七〜一八九九年 収録人数は個人、宣教師合計で約4,800名。 第97巻 1.日本基督教徒名鑑 第二版(谷龍平編輯)一九一六年 収録人数は、約17,000名。 2.信仰三十年基督者列伝(警醒社編纂)一九二一年 収録人数は856名。 3.人物による日本カトリック教会史(中央出版社)一九六八年 収録人数は、99名。 第98巻、第99巻、第100巻 1.基督教年鑑(日本基督教連盟年鑑部編)一九二四〜一九三八年 「フースフー (who's who)」の部分を第8巻、第9巻、第10巻に収録した。 収録人数は、延べ24,000名。 2.日本基督教団年鑑 昭和一八年版(日本基督教団総務局編纂)一九四三年 「日本基督教団役員及委員一覧」「日本基督教団教区役員一覧」「日本基督 教団教師一覧」を収録した。 収録人数は、約5,000名。 最終配本「宗教編」はいかがでしょうか。本編の最大の特徴は、『仏教年 鑑』(1929-1938)、『基督教年鑑』(1924-1938)の年鑑類の人名録部分を、そ れぞれ十数年分、延べで2、3万人の人物データをまとめて収録したことで しょう。これによって、日本近代の疾風怒濤時代といえる大正末期から昭和 前期にかけての仏教界、キリスト教(特に、プロテスタント)界の人物情報 を一望の下にできるようになったと自負しております。また、本編の被伝記 者データベースは明年中にはできますので、それが提供可能となれば特定の 人物の社会的移動をトレースすることはより容易となると思われます。 91巻収載の編集部による総合解題は下記で読むことができますのでご参 照下さい。 http://www.libro-koseisha.co.jp/top03/rb820.html ○『人物』と『雑索』の使い方あれこれ -「保守と革新の日本的構造」の巻 - 「保守と革新の日本的構造」とは、経済学者伊東光晴氏の名著『保守と革 新の日本的構造』(筑摩書房1970年刊)からとったものですが、その冒頭の 文章で著者は二つの名刺を見較べています。一つはある大企業の社長の名刺 、もう一つは同じ会社の労働組合委員長の名刺です。この2枚の名刺が同一 人物の名刺であることを指摘し、そこに保守と革新の日本的構造の特徴を示 唆しています。 さて、昭和の戦時体制から敗戦後の民主化期にかけて、この「保守と革新 の日本的構造」を鮮やかに一身で体現している人物がいます。その名を帆足 計(ほあしけい)といい、戦時下重要産業協議会事務局長に就任し、「財界 の脚本家」などといわれました。敗戦後、経済同友会の創立に加わった後、 左派社会党に入り衆議院議員となり当選7回。1952年にソ連を訪問し、同時 に北京入りして日中貿易協定を結ぶ、というように独自の活躍をした人物で す。 この人物を小社のデータベースで検索してみると下記のように出てきます。 [執筆者検索データベース] 執筆者: 帆足計 姓名 出典 帆足計 日本社会衛生年鑑 19-139、23-21、23-71 帆足計 科学主義工業 06-08-016、07-11-026 帆足計 社会科学篇41-右47、42-右502、43-右110、44-右20、44-右27、44- 右46、44-右258、44-左26、44-左53、45-右258、45-右307、45-右329、45- 左164、52-左189、52-左221、54-左94、54-左111、54-左114、54-左369、 55-左104、55-左448、55-左455、56-右77、56-右176、56-右177、56-右182、 56-右194、56-右209、56-右268、56-右293、56-左148、56-左205、56-左244、 56-左318、56-左337、56-左361、56-左467、56-左578、57-右30、57-右91、 57-右153、57-右174、57-右191、57-右209、57-右230、57-右231、57-右241、 57-右268、57-右269、57-左80、57-左95、57-左107、57-左120、57-左143、 57-左169、57-左199、57-左281、57-左302、59-右48、59-右217、59-右233、 59-右240、59-右248、59-右249、59-右274、59-右276、59-右293、59-右299、 59-左26、59-左52、59-左119、59-左149、59-左153、59-左170、59-左217、59 - 左233、59-左244、59-左349、59-左376、59-左425、59-左442、64-左125、65- 左30、68-18、68-74、68-141、68-198、68-206、68-238、69-右25、69-右30、 69-右40、69-右52、69-右54、69-右105、69-右118 帆足計 人文科学篇7-左188、31-281、38-550、43-157 [被伝記者検索データベース] 人物: 帆足計 姓名 ヨミ 巻-頁 帆足計 ホアシカズエ 憲政編30-246、30-467 帆足計 ホアシケイ 憲政編30-246、30-467 帆足計 ホタリカズエ 憲政編30-246、30-467 帆足計 ホタリケイ 憲政編30-246、30-467 執筆者索引データベースでは戦時下での旺盛な執筆活動が伺えますし、被 伝記者検索データベースでは『衆議員名鑑』から彼の詳しいキャリアパスを 知ることができます。このように、多少とも文筆活動をした人物なら二つの データベースを横断検索することでかなりの情報を探り当てることが可能と なりますので、是非一度両者を同時に使ってみて戴きたいと思います。 人物検索は下記のURLからどうぞ。 http://www.libro-koseisha.co.jp/f_j_all.htm ○ホットサイト 数年前に日本公開された珍しいイスラムの歴史映画に「炎のアンダルシア」 というのがあります。この映画は、ダンテの『神曲』にもその名をとどめて いるイスラムの哲学者が主人公となる歴史活劇なのですが、今回のこのメル マガも随分と長尺になってしまったので、内容のご紹介は次号に順延致しま す。ごめんなさい。 ○編集後記 いつも簡単にまとめようとは考えるのですが、どうも長くなってしまう傾向 がありまして恐縮してます。なるべく役に立ち、面白いものを濃縮してお届 けするよう努力しますのでご容赦下さい。 2001年12月 ==================================================================== ☆ ご意見、ご感想をお寄せください。投稿もお待ちしています。 送付先の変更、送付の停止につきましても下記へご連絡下さい。 ueda@libro-koseisha.co.jp 発行所 株式会社 皓星社 http://www.libro-koseisha.co.jp/ 166-0004東京都杉並区阿佐谷南1-14-5 TEL03-5306-2088 FAX03-5306-4125 ==================================================================== |