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それでも人は生きていく
冤罪・オウム・反戦・反核 瀬戸内寂聴 この本は私の遺言である。
「思いもかけずに九十余年も生きてしまった。私にまだ定命が与えられているのは戦争を経験し、様々な歴史的事件を見てきた者と して、それらをどう捕えた か、現代の人々に伝える為だと自覚する。」(序文「九十一歳の遺言」より) 「瀬戸内寂聴さんは、卒寿をすぎてなお現役作家である。いまなお、社会にたいする発言者としても第一線にたっている。いわば、国賊と言われた叛逆女性の情 熱を、瀬戸内さんは書き続けてきた。同郷の冤罪「徳島ラジオ商殺し」・冨士茂子の「拒絶」、連合赤軍事件・永田洋子の「逸脱」。それらは、この国で自分を 全うして生きるようとする女性に押しつけられた、過酷な負担だった。犯罪者はけっして他人ではない。とする共感と責任感が、この本に漲っている。」(鎌田 慧 解説「エロスと反逆」より) 徳島ラジオ商殺し冤罪事件、連合赤軍、オウム真理教、反戦、そして反核――半世紀以上にわたり小説を書き続ける傍ら、ブレることなく社会に問題提起をし続 け てきた、瀬戸内寂聴。初の社会的発言集。 |
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目次 序文 九十一歳の遺言 裁判と冤罪 裁判との出逢い ―徳島ラジオ商殺しのことなど―/裁判への招待 ―尊厳な法廷・その幻影と実態―/冨 士茂子さんのこと/婦人公論女性内閣方針 法は何故無力なのか ――庶民の憤懣を解決する能力も権限もないのだ/女巌窟王 執念の悲願 /誤 審――裁くものは誰か 冨士茂子さんと共に闘った二十一年/徳島ラジオ商殺し 冨士茂子 無罪判決の意味 /雪の日/ 冤罪・徳島ラジオ商事件と私 連合赤軍とオウム真理教 私の書いた死刑囚たち/編集者への手紙 /公 判証言/連合赤軍判決傍聴記「あなたたちの惜別の微笑を見ました」 /連 赤事件殉難者の御霊に/愛と命の淵に 単行本あとがき/愛 と命の淵に 文庫本あとがき 死刑再開に抗議する/誰もが避難するあなたを放っておけなかった理由 /永 田洋子さんの病死/オウム真理教の行方/オ ウム裁判の危惧 反核と反戦 心信じるイラクの人々 ――春にバグダッドを思う/『先年の京から「憲法九条」』あとがき/原 発事故は人災です/飼いならされた日本人よ、もっと怒りなさい!/被 災地の若者の姿に日本の未来を見直しました/巻末対談・小林武史 今こそ本当の祈りを 解説 鎌田慧「エロスと反逆」 関連リンク 瀬戸内寂聴 寂庵へようこそ! |
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