四六判上製 256ページ
2013年5月15日
ISBN978-4-7744-0479-0
装画 宇野マサシ
装丁 藤巻亮一
購入申込

それでも人は生きていく

冤罪・オウム・反戦・反核

                              瀬戸内寂聴

この本は私の遺言である。

「思いもかけずに九十余年も生きてしまった。私にまだ定命が与えられているのは戦争を経験し、様々な歴史的事件を見てきた者と して、それらをどう捕えた か、現代の人々に伝える為だと自覚する。」(序文「九十一歳の遺言」より)

「瀬戸内寂聴さんは、卒寿をすぎてなお現役作家である。いまなお、社会にたいする発言者としても第一線にたっている。いわば、国賊と言われた叛逆女性の情 熱を、瀬戸内さんは書き続けてきた。同郷の冤罪「徳島ラジオ商殺し」・冨士茂子の「拒絶」、連合赤軍事件・永田洋子の「逸脱」。それらは、この国で自分を 全うして生きるようとする女性に押しつけられた、過酷な負担だった。犯罪者はけっして他人ではない。とする共感と責任感が、この本に漲っている。」(鎌田 慧 解説「エロスと反逆」より)


徳島ラジオ商殺し冤罪事件、連合赤軍、オウム真理教、反戦、そして反核――半世紀以上にわたり小説を書き続ける傍ら、ブレることなく社会に問題提起をし続 け てきた、瀬戸内寂聴。初の社会的発言集。

 
目次  
序文 九十一歳の遺言
裁判と冤罪
裁判との出逢い ―徳島ラジオ商殺しのことなど―/裁判への招待 ―尊厳な法廷・その幻影と実態―
冨 士茂子さんのこと婦人公論女性内閣方針 法は何故無力なのか ――庶民の憤懣を解決する能力も権限もないのだ女巌窟王 執念の悲願 誤 審――裁くものは誰か 冨士茂子さんと共に闘った二十一年徳島ラジオ商殺し 冨士茂子  無罪判決の意味 雪の日 冤罪・徳島ラジオ商事件と私
連合赤軍とオウム真理教
私の書いた死刑囚たち
編集者への手紙 公 判証言連合赤軍判決傍聴記「あなたたちの惜別の微笑を見ました」 連 赤事件殉難者の御霊に愛と命の淵に 単行本あとがき愛 と命の淵に 文庫本あとがき
死刑再開に抗議する
誰もが避難するあなたを放っておけなかった理由 永 田洋子さんの病死オウム真理教の行方オ ウム裁判の危惧
反核と反戦
心信じるイラクの人々 ――春にバグダッドを思う
『先年の京から「憲法九条」』あとがき原 発事故は人災です飼いならされた日本人よ、もっと怒りなさい!被 災地の若者の姿に日本の未来を見直しました巻末対談・小林武史  今こそ本当の祈りを
解説 鎌田慧「エロスと反逆」

関連リンク  瀬戸内寂聴 寂庵へようこそ!

トップページ 今まで出た本 メールマガジン 掲示板