2002.2.8  No.35
■■■■■■■■■■■ 皓星社通信 ■■■■■■■■■■■■
隔週刊行
                                    発行所 株式会社 皓星社
                      編集長 佐藤健太
                   info@libro-koseisha.co.jp
                         http://www.libro-koseisha.co.jp
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●「阿佐ヶ谷歳時記」差し上げます!!
●『鳥獣報告集』がミニコミ紙にて紹介されました!!
●編集後記
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●「阿佐ヶ谷歳時記」差し上げます!!

    杉並区阿佐ヶ谷なる酒処「だいこん屋」の親父松本純さんは、
  南氷洋をまたにかけた捕鯨船団の花形・キャッチャーボートの元
  船長。商業捕鯨が中止され、陸に上がった船長は夫人とともに居
  酒屋をはじめた。店の奥に注連縄を貼られて鎮座する日本有数と
  いう鯨のペニスが、松本さんの過去を偲ばせる。彼はまた、いか
  つい顔に似ずフラメンコギターの名手にして俳句をよくする。店
  の常連を集めて「すずしろ句会」を主宰し、はや数十年になる。

   皓星社では、昨年メールマガジンを創刊するにあたり、松本宗
  匠に「阿佐ヶ谷歳時記」と題し近隣の自然のうつろいと、抱腹絶
  倒・宗匠の毒舌がさえる「すずしろ句会」の講評を連載で御願い
  したが、ちょうど、一年を閲したのを期に小冊子に編み希望者に
  おわかちすることにした。

   というわけで本日完成。メールかはがきでお申し込みくだされ
 ば無料でお送りいたします。メールは以下へお願いします。
 info@libro-koseisha.co.jp

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●『鳥獣報告集』がミニコミ紙にて紹介されました!!
 
  『鳥獣報告集』は大正14年から昭和13年までの14年間にわたって、
 農林省畜産局(後に山林局)鳥獣調査室が「農林業上有益な野生鳥獣
 の保護繁殖ならびに狩猟鳥獣の利用増殖に関する研究調査を行う
 ことを主眼に」全国の鳥獣研究者・機関に調査を委託し、その結果
 報告を記録した資料である。1998年に皓星社から復刻再版された。
 当時の第一線の観察者による日本各地の記録は今日の環境保護の
 視点から見てもきわめて重要な資料といえよう。

  アオバトだけでも64件の観察記録があり、「昭和4年6月30日 和
歌山・高野山で声を聞くが近年非常に珍しい 榎本佳樹」 「昭和3
年4月3日 鹿児島 アオバトは当年少なしと人々いえど、小生の目
にはおびただしきものに候 川口孫治郎」 「昭和4年3月15日 長野・
管平 アオバトは方言キバトと云い、肺病の薬として黒焼きにて珍
重すると。数もあまり多くない」 「昭和6年8月23日奈良・大和吉野郡
入の波鉱泉所在地山腹林中に確認、里人は巣を見たという」 「昭和
8年1月21日 長野 木曽地方にも甚だ少なき鳥類なのに黄疸の妙薬
なりとの迷信より濫獲せらるるため次第に減少して絶滅に瀕しつつ
あり」 「昭和11年2月29日 和歌山県・湖畔 アオバト 川口孫治郎」
(川口さん、海水吸飲したかどうか書いてほしかったな)など実に
興味深い記述がある。

 「海水吸飲」についてふれた記述は結局一件もなかったが、それは
それでこれだけの研究者の記録のなかに一例もないことに意味があ
るように私には思える。
  唐沢さんは(1)野外での観察記録、(2)日本全土を網羅、(3)
優れた鳥獣観察研究者が参加、(4)断片的な情報も丹念に収集、
(5)生データを編集者が整理せずそのまま時系列的に掲載、(6)
鳥種別・都道府県別の索引も完備とこの書の特色を列記、評価して
いる。

 今回、私は横浜市立図書館で閲覧してきたが、県下ではここにし
かないのは残念なことだ。
 全3巻+索引で5万円。各地の図書館に購入希望を出したい。  

 (「高麗の鳥」2002年2月号、第234号より転載。執筆は同紙発行
人・田端裕さん。同紙は毎月一回発行)

 鳥獣報告集 [完全復刻版]
 監修 唐沢孝一(日本鳥学会常任評議員・都市鳥研究会代表)
 全3巻+別巻1(解説、県別・鳥獣名別索引)
 A5判・上製・総2,400頁 定価50,000円+税
 ISBN4-7744-0140-4 C3345

鳥獣報告集のご購入・資料請求はこちらへ。
http://www.libro-koseisha.co.jp/top03/main03.html#ch

アオバトならこのサイト"こまたん"ホームページ
http://www2u.biglobe.ne.jp/~komatan/

 田端さんもメンバーの花水川探鳥会"こまたん"のホームページ。
アオバトに掛けては世界一を目指しているとのこと。充実したアオ
バト情報は驚くばかり!田端さんの不定期連載「アオバト仮説」も
読むことができます。ぜひご覧ください。

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●編集後記
 松本さんファンのみなさま、お待たせ致しました。「阿佐ヶ谷歳
時記」が小冊子になりました。じゃんじゃんお申し込みください。

 田端裕さんにはミニコミ紙の記事の転載をご快諾いただきました。
ありがとうございます。

  ここ数日ぱらぱらと喜国雅彦先生(あえてこう呼ばせていただき
ます)の探偵小説についてのエッセイ集『本棚探偵の冒険』(双葉
社)を読んでいます。横溝正史の角川文庫(黒背表紙本)収集から
始まって、目録買い、果ては豆本や函を自作してしまうといった熱
狂ぶりがすごい。
  ところで私・佐藤は木々高太郎『熊笹にかくれて』(桃源社、昭
和35年)を探し続けているんですが、縁がないのか古書目録でも負
けっぱなし(泣)。これ、短編「青色鞏膜」とならんでハンセン病を
題材にした作品なのです。いったいどんな話なのか、気になってお
ります。喜国先生、教えてください!

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